日本(世界ランク7位)が大阪大会3連勝とした。
6日オーストラリア、8日カナダを破った勢いで、ドイツ(同15位)にもセットカウント3-1で勝利。
宮浦健人(23)がチーム最多17得点を挙げ、高橋藍(20)もチームを引っ張った。宮浦は「(満員の)声援に後押しされた」と話し、高橋藍は「レシーブからリズムを作ることを考えた」と語った。10日に対戦する世界ランク2位のブラジル戦に向け石川主将、西田らの出場時間を減らしてつかんだ貴重な1勝となった。
日本は既に上位8カ国(16カ国中)による決勝大会(20日開幕、イタリア・ボローニャ)初進出が決定している。
日本 | 3 | 23-25 25-22 25-20 25-20 | 1 | ドイツ |
試合後
高橋藍 「1セット目を取れなかったのは課題が残った。圧倒して勝つためには大事な部分だと思う。2セット目からはレシーブからリズムを作るところに意識を向けることができた。(大観衆の)熱気に包まれて、汗の量もすごかった」
宮浦健人 「スタートから出て、今日の1勝はうれしく思います。まだハイボールの対応や、打ち分けができていない部分もあった。課題をしっかり修正したい」
高梨健太 「難しいことを考えず、思い切りぶつかろうと思って臨んだ。明日のブラジル戦もチーム一丸となって勝てるように頑張りたい」
石川祐希 「出た選手がしっかり活躍してくれたので、安心して見ていることができた。うちのチームは誰が出てもしっかり勝てるということが証明できた試合。まだまだコミュニケーションの部分で課題はあったので、そこは修正しないといけない」
第1セット
第1セットは一進一退の攻防になった。日本は高橋藍のサービスエースなどの活躍が光った。一時はリードを許す展開も、宮浦のスパイク、高梨健のブロックなどで再び勝ち越す。15-15の同点の場面では、高橋藍が強烈なスパイクを決めて場内が沸いた。
日本は19-21とリードを許した時点で、西田と関田をコートへ。21-22と1点差に迫ると、石川主将も入った。すると、いきなり石川のサービスエースで22-22の同点に追いつく。
粘りを見せた日本だったが、最後は23-25で第1セットを失った。
第2セット
第2セットは日本がリズム良く得点を重ねた。一時は6-2とリード。宮浦、高橋藍、高橋健の強烈なスパイクも決まった。宮浦のサービスエースで13-7とする。
その直後、日本、ドイツともサーブが味方の選手に当たる場面が続き、「珍しいプレーの連続です」との場内アナウンスが流れた。
日本は小野寺のスパイクが決まって17-11とリードを広げる。
そこから流れはドイツへ。観客席に入ろうかというボールを、右足で返す好プレー。さすがは“サッカー強国ドイツ”という見せ場もあり、日本は20-18と2点差まで追い上げられた。
セットポイントを迎えたのは日本だ。最後はドイツにミスが出て、日本が25-22で第2セットを奪った。
第3セット
第2セットが終わると、箕面自由学園高チアリーダー部「GOLDEN BEARS」による“ハーフタイムショー”。華麗で力強い演技に、場内の大観衆がさらにヒートアップした。
第3セット序盤はドイツにリードされる展開。5-5とした日本は宮浦、高梨のスパイクが連続で決まり7-5とする。その後も再び高梨、高橋藍と強烈なスパイクが決まって12-8。勢いは日本だ。
着実に得点を重ねていく日本。宮浦が狭いスペースを狙って21点目とする。さらに、小野寺のパワーで22-16。粘るドイツも2連続サービスエースで追い上げる。たまらず日本はタイムアウトを選択した。
ドイツのミスもあり、日本は24-20とセットポイント。最後は日本が、第2セットに続いてこのセットをものにした。
第4セット
試合は白熱した展開になった。日本のセットカウント2-1で迎えた第4セット。高梨のブロック、高橋藍のスパイクでリードを広げていく。宮浦も得点して9-5とした。流れに乗った日本は、着実に得点を重ねた。満員の手拍子に後押しされ、高橋藍、宮浦らが躍動する姿を披露。
緩急をつけた高梨のプレーで日本が19-15とする。20点目を挙げた時点で村山がコートへ。村山は諦めずにボールを追い、21点目へとつなげた。
高梨の強烈スパイクで22点目。23点目は村山だ。
日本が23-20とする。勝利は目前だ。マッチポイントを迎えると、集まった大観衆の興奮は最高潮に達した。
24-21で日本は、相手のスパイクに対してチャレンジを試みる。これが成功して勝利かと思われた。
しかし、一瞬の静寂に包まれる。
逆にドイツがブロックタッチのチャレンジを選択。これが失敗し、日本がセットカウント3-1で勝利。
既にファイナルラウンド進出を決めている日本は、この大会3連勝とした。
試合前
試合開始30分前に選手が登場すると、会場は大歓声が沸き起こった。ウオーミングアップから客席はぎっしり埋まり、超満員。日本の選手たちがサインボールを投げ込むと、歓喜の声に包まれた。
「対戦成績は日本の15勝19敗です」という場内アナウンスが流れた後に、登録メンバーの紹介が行われる。大きな拍手とともに、場内はヒートアップしていった。
ネーションズリーグ大阪大会・日本代表メンバー
◆セッター
関田誠大(28=ジェイテクト)
大宅真樹(27=サントリー)
◆アウトサイドヒッター
石川祐希(26=ミラノ)
高梨健太(25=名古屋)
大塚達宣(21=早大)
高橋藍(20=日体大)
◆オポジット
宮浦健人(23=ジェイテクト)
西田有志(22=ジェイテクト)
◆ミドルブロッカー
山内晶大(28=パナソニック)
高橋健太郎(27=東レ)
小野寺太志(26=JT広島)
村山豪(23=ジェイテクト)
◆リベロ
山本智大(27=堺)
小川智大(26=名古屋)
◆ネーションズリーグ 国際バレーボール連盟が2018年に新設した国際大会。男女16カ国が参加。予選は開催地を変更して3週に分けて行われ、今大会から各国12試合(1週4試合)を戦う。上位8カ国がファイナルラウンド(20日開幕、ボローニャ)に進み、ノックアウト方式のトーナメント戦で優勝を決める。結果が世界ランクに反映されるため、24年パリ五輪出場にも影響する。新型コロナウイルスの影響で20年大会は中止、21年はイタリアで集中開催された。