好調の日本(世界ランク7位)が、初の8強進出に王手をかけた。大阪大会の初戦でオーストラリア(同35位)にセットカウント3-1で勝ち、通算7勝2敗とした。8日カナダ戦(同14位)に勝てば、予選2試合を残して上位8カ国(16カ国中)による決勝大会(20日開幕、イタリア・ボローニャ)の進出が決まる。
スコア
日本 | 3 | 25-18 25-15 23-25 25-19 | 1 | オーストラリア |
試合後
日本代表フィリップ・ブラン監督 第2と第3セットの間に長いブレイクが入ったのと、体育館が暑くてエネルギーを失ってしまった。(失った第3セットは)1、2セットとは違った結果になった。相手の3番(ロレンゾ)のスパイクを防ぐことができず、得点を取られてしまった。ただ、ボローニャ(ファイナル)に近づいたのは間違いない。
西田有志 (失った)3セット目にスパイクミスが目立ってしまった。もう1回、ギアを入れ直す必要がある。次、こういう試合をしていたら、こういう(勝てる)展開にはならない。(有観客で)ホームでやれているのはうれしいですし、久しぶり。(今後も)勝つ姿を見せたい。
石川祐希 (オーストラリアは)世界ランキングが僕たちよりも下にいるので、絶対に負けるわけにはいかなかった。サーブが走っている時は取れているが、サーブミスがある時、第3セットを取られてしまった。修正して次に臨みたい。次のカナダ戦をしっかり勝って、ファイナル進出を決めたいです。
第1セット
日本が幸先のいいスタートを切った。序盤から西田のスパイクが決まり、2ー0とリードする。オーストラリアに追い上げられると、主将の石川が技ありのプレーでリードを広げた。石川のジャンプサーブが決まると大観衆が沸く。
日本は力強さと、柔軟さを織り交ぜた攻撃を展開した。石川、山内のスパイクが決まって差を広げると、第1セットを25-18で先取した。
第2セット
第2セット。日本は山内の速攻、高橋健のブロックが決まりリードを広げていく。オーストラリアも粘りを見せ、一時は2点差まで追い上げられた。中盤で相手のブロックでワンタッチがあったとして、日本がチャレンジを試み、これが成功。流れをつかんだ日本は、山内のスパイクが決まって15-9とリードを広げた。
そして、西田の強烈なスパイクも決まる。小野寺が足でボールを拾って得点につなげ、高橋健のスパイク、西田のサーブも決まり、連続得点で20-10。
最後は山内が連続得点で25-15。日本が第2セットも奪った。
第3セット
第3セットは一進一退の攻防になった。一時はオーストラリアにリードを許す展開。高橋健、山内の得点で追いつき、石川主将のサーブで勝ち越し。その後も手に汗握る展開が続いた。
同点に追いつかれても西田、大塚のスパイクが決まる。中盤に入り、14-16と2点のリードを許した時点で日本がタイムアウト。
大塚、関田の得点で一時は同点に追いつくも、このセット、流れはオーストラリアに傾く。相手のスパイクが、リベロ山本の顔面に直撃する。
何とか流れを変えたい日本。主将の石川のブロックが決まり、再び突き放されても、また石川が決めて22-23。意地を見せた。
手拍子で盛り上がる場内。
日本が23-24で迎えた場面。オーストラリアのスパイクはアウトかと見られた。だが相手はチャレンジを試み、最終的にはブロックタッチの判定。日本は23-25で第3セットを失った。
第4セット
第4セットの序盤、西田の存在が光った。ブロックが決まって3-2。その後、2連続で西田のジャンプサーブが決まってリードを広げる。西田は客席の方までボールを追いかけるなど、奮闘した。
石川主将もブロック、スパイクと得点を重ねる。第3セットを失った後、日本は気持ちを切り替え、危なげない試合運びを披露した。
第4セットは日本が25-19。セットカウント3-1で日本が勝利。大阪大会の初戦でファイナル進出へ王手をかけた。
ネーションズリーグ大阪大会・日本代表メンバー
◆セッター
関田誠大(28=ジェイテクト)
大宅真樹(27=サントリー)
◆アウトサイドヒッター
石川祐希(26=ミラノ)
高梨健太(25=名古屋)
大塚達宣(21=早大)
高橋藍(20=日体大)
◆オポジット
宮浦健人(23=ジェイテクト)
西田有志(22=ジェイテクト)
◆ミドルブロッカー
山内晶大(28=パナソニック)
高橋健太郎(27=東レ)
小野寺太志(26=JT広島)
村山豪(23=ジェイテクト)
◆リベロ
山本智大(27=堺)
小川智大(26=名古屋)
試合前
超満員の大観衆。会場はうっすらと霧がかかったような雰囲気に演出され、試合前のウオーミングアップから盛り上がりは最高潮に達する。日本はこの日のオーストラリア戦、8日のカナダ戦(世界ランク14位)に連勝(セットカウント、得点数問わず)すればファイナル進出が決まる。世界ランク2位のブラジルとの最終戦(10日)を前に、ファイナルを決めたい。
◆ネーションズリーグ 国際バレーボール連盟が2018年に新設した国際大会。男女16カ国が参加。予選は開催地を変更して3週に分けて行われ、今大会から各国12試合(1週4試合)を戦う。上位8カ国がファイナルラウンド(20日開幕、ボローニャ)に進み、ノックアウト方式のトーナメント戦で優勝を決める。結果が世界ランクに反映されるため、24年パリ五輪出場にも影響する。新型コロナウイルスの影響で20年大会は中止、21年はイタリアで集中開催された。
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