全国高校総体(IH)女子決勝で古川学園(宮城)が金蘭会(大阪)に0-3のストレート負けを喫した。エース阿部明音(3年)が16得点、身長196センチで今大会最高の到達点3メートル28センチを誇るタピア・アロンドラ(3年)が15得点を挙げたが、決定率はともに4割以下。金蘭会の好レシーブにことごとく阻まれ、今春の全日本高校バレー(春高バレー)に続いて、日本一を目前で逃した。

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「日本一」への思いは高まっていた。決勝トーナメント進出を決め、熊谷仁依奈主将(3年)は「去年は、もちろん日本一を目指して戦っていましたが、その思いが相手の3年生に勝らなかった感じがしました。自分自身も自信がないままIHに臨んでいたのかなと思う。でも今回のIHはそういう悔しい思いがある。自信は去年に比べたら倍以上あります」と語っていた。去年以上の自信で臨んだ今年は、準決勝を終えて失セットが「0」。昨夏の準々決勝でストレート負けを喫した下北沢成徳にも、準決勝でストレート勝ち。順調に決勝まで勝ち上がってきたが、金蘭会からは1セットも奪えなかった。強まった思いはあと1歩、目標に届かなかった。熊谷は「日本一というのはやっぱり簡単じゃない」と悔しさをにじませた。

ここから再スタートだ。熊谷は「どんな練習をやってきてもそれを出さなきゃ意味がないし、それを出せる選手でないといけない。自分たちの成長がもっともっと必要だと思います」と決意を新たにした。阿部は「最後は全部自分にトスが上がってくる。そこでたとえ3枚ブロックがつこうとも吹っ飛ばす、1点を取る勝負強さを持っていかないといけない」と、エースとしてさらなる成長を誓い、アロンドラは「負けたけどここで終わりじゃない。国体と春高でしっかり優勝できるように頑張りたいです」と前を向いた。それぞれの思いを胸に悲願の「日本一」へ。古川学園は歩みを止めない。【濱本神威】