プロフィギュアスケーターの浅田真央さん(31)が座長を務める新たなアイスショー「BEYOND」の幕開け公演が10日、滋賀県立アイスアリーナで初日を迎えた。

8月、都内で開催発表した会見で言った。

「まだまだ自分は挑戦できる、したいと思ったので、もう1度新しいショーを作ると決めました」。

ショーの名前「BEYOND」には、「過去の自分を超えていけるように」との意味を込めている。約90分間のノンストップのアイスショーで、振り付け、楽曲制作、演出、衣装、ツアーグッズの細部に至るまで、こだわり抜いてきた。

ついに幕が開いた。

リンク横に立てられた大型ビジョンの白の背景に、リンクインした10人のスケーターのシルエットが浮かび上がる。

暗闇からライトが明るくその姿を照らし出すと、みながまとっていたのは黄金の衣装。オープニングナンバー「Sing Sing Sing」が流れ始め、スケーターの隊列の真ん中から、シルクハットを被った浅田さんがゆっくりと進む。そのりりしい姿は「挑戦」という姿勢を表しているようだった。

プログラムではペア演技も初披露した。キャストの柴田嶺(りょう)さんと組んでのリフト技やスロージャンプに加え、「シェヘラザート」では妖艶さも感じさせる衣装と演出や、王道の「白鳥の湖」の演目などで新境地を印象づけた。

アンコールではマイクを握った。

「本日は初日に起こしいただき、本当にありがとうございました。言葉が見つからないほど、胸がいっぱいです。開催されるまでに道のりはいろんなことあったんですけど、日々少しずつ乗り越えて、初日を迎えることができました。今日こうしてスタートを切ったんですけど、千秋楽まで全力で『BEYOND』の世界を届けたいと思いますので、皆さまどうぞ応援よろしくお願いします。本当にまたこういった素晴らしい舞台で滑ることができて幸せです。みなさん本当に今日はありがとうございました」。

何度も感謝を口にし、深々と会場にお辞儀をし、大きな拍手をもらった。

公演はこの日を皮切りに、23年3月まで全国17都市で約70公演を予定する。