バドミントン男子で18、19年世界選手権優勝の桃田賢斗(28=NTT東日本)やスポーツクライミング男子の楢崎智亜(26)明智(23=ともにTEAM au)らマネジメント会社UDN SPORTSの契約選手が26日、都内で行われた同社の新プロジェクト「地方からミライを」の発表に関するトークセッションに参加した。

数々の社会貢献活動に参画してきたアスリートと同社が、今度はSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みとして発足したもの。サッカーJ1横浜の水沼宏太、陸上男子の橋岡優輝、ラグビー女子7人制の大竹風美子と6人で登壇し、それぞれ故郷やSDGsへの思いを語り合った。

昨年11月に公表したUDN×SDGsの「17の目標」から、最も関心が高い取り組みを6選手が挙げ、下記の通り紹介した。

大竹【海の豊かさを守ろう】「あまり今まで考えたことなかったんですが、昨年、UDNのアスリートの皆さんと一緒に海の周りのゴミ拾いをさせていただきました。その時に、本当にゴミが散乱しているなと感じて、海や環境への影響を考えると、1人1人の小さな行動が人のため、地球のためになると感じました。皆さんも、できることからご協力をお願いします。湘南や江の島に行くことはあります。やっぱり海が好きなのでキレイに」

楢崎智【つくる責任 つかう責任】「自分がスポーツクライミングで使う用品を地元企業と協力して作りたいと思った時に、チョーク、手に滑り止めの粉を付けているんですが、廃棄されるはずだった卵の殻を使って環境にも配慮しています。野球選手がパンパン付けているものをバケツいっぱい。そこに毎回、手を突っ込んでいます。練習でも相当な量を使うので、消耗品なので、特に環境に気をつけるようにしています」

水沼【飢餓をゼロに】「日本で生まれて過ごしていると考えにくいことなんですが、海外ではまだ達成していないところがたくさんあると思います。日本にいる自分ができる支援をさせてもらったり、SNSで呼びかけたり、自分にできることを増やしながら。例えばチャリティー的な寄付の制度を作ってみたり、そういうことを考えていくべきかなと。現状に満足することなくというか、日ごろから感謝の気持ちを持って、今、自分に何ができるか考えていくべきだなと思います。日常を当たり前と思わずやっていくことが大事」

桃田【すべての人に健康と福祉を】「バドミントンは子供からお年寄りまで年齢に関係なくできるスポーツですし、シャトルとラケットがあれば、室内でも、よっぽど風が吹いていなければ外でもできる。そういう施設を造ったりとか、既にある体育館や公園で活動ができたらいいなと思っています。僕は、姉がバドミントンをやっていて、家からすごく近い場所に体育館があって、スポーツ少年団があったので、身近で始めやすい環境がありました」

橋岡【住み続けられるまちづくりを】「僕は茨城県で生まれて埼玉県で育ちました。その中で年々、運動できる場所が減っていると感じています。この目標の下、スポーツ施設をSDGsの学びの場として、町づくりのなかでスポーツが生活の一部になっていけば、生活にも大きな影響が出るのかなと思っています。走り幅跳びとの出合いは小学校の時に授業でやったのがきっかけ。中学で陸上競技部に入ったんですけど、砂場遊びをするような場所しかなくて、走り幅跳びを本格的にやってみたいなと思って高校に進んで始めました。やはり陸上競技といえば100メートルやマラソンが注目されがちですけど、他にも面白い競技があるんだよというのを施設として伝えていけたら」

楢崎明【すべての人に健康と福祉を】「僕も桃田選手と同じです。将来的に、学校や街にスポーツクライミングができる壁を増やしていきたい。スポーツをする場所が増えれば健康にもつながりますし、指導者や課題であるセッターの方の需要が高まれば、雇用など経済的にも良くなるんじゃないかなと思います」

UDN SPORTSはコロナ禍や景気停滞に直面する社会に対し、契約選手が出身地や縁のある地域に貢献したい思いを形にすべく、ともに地方活性化プロジェクトを開始。「地方企業からミライを」社と連携し、アスリートがアンバサダーとして「日本の経済・社会を盛り上げていく」という大志につなげていく。

このプロジェクトを企業等が経由することにより、プロアスリートの起用に掛かる費用を抑えることが可能になる。初期費用0円、月額費用だけでプロ選手の肖像をアンバサダーとして利用でき、中小企業にとっては利用ハードルが大きく下がる。一例として「数千万円」のキャスティング費と制作費が「数十万円」の月額比に抑えられるイメージとなりそうだ。

選手と地元が手を取り合うことで発信力もSDGs浸透の効果も高まり、今後はサッカーの香川真司、柴崎岳、冨安健洋ら14人の契約選手が参画するプランも予定している。今後も「故郷・地方での活躍の場所をつくる」「故郷・地方でのイベントをつくる」「故郷の企業をもりあげる」ことの実現へ突き進んでいく。