18年平昌五輪金メダルの小平奈緒(36=相沢病院)が、現役ラストレースを地元長野で迎え、有終のVを飾った。37秒49の好タイムで、北京五輪銀の高木美帆(28=日体大職)を押さえ優勝。98年長野五輪以来という満員の会場で「メダル以上に価値のある心が震える瞬間」に感謝した。

小平と一問一答

-試合を振り返って

小平 過去の自分には届かなかったけれど、夢にまで見た空間で滑れて幸せ。

-とても集中していた

小平 今まで積み上げてきたものを氷に乗せたかった。そこに思いは乗せず体を乗せて(アスリートの姿を最後まで)描いていこうと。そこに対する集中力。

-氷とはケンカしたり仲良くしたりしてきた

小平 実はウオーミングアップの時点で、すごく硬くて。お客さんが多く入るので温度を下げて用意してくださったから。最初は氷とケンカしてるな、はじかれるな、という感覚だったけど、整氷後、レース直前は本当に自分の足に合っていた。本当に感謝したい。

-「引退」お疲れ様でした、と言っていいのか

おめでとうございます、の方がいいかな。スケートリンクを越えたところへ飛び出していく。その始まりが今日だと思うので、どんどん失敗してチャレンジして、前に進んでいきたい。

-地元へ

小平 信州で生まれ、信州で育ってきて、小中も高校も大学も社会人も長野ですし、地元の温かみを全身で受け止めてきた34年間。この会場で五輪が開かれたことが私にとって運命的な出会いだった。皆さんに包まれてレースできて最高。

-「知るを楽しむ」から学んできたことは

小平 アスリートは孤独じゃない。平昌で一応、金メダルを取らせていただいた後、生きていけない、1人では豊かに生きていけないなと知ることができた。