22年世界選手権銀メダルの三浦璃来(20)、木原龍一(30)組(木下グループ)は最終滑走で滑り、今季初戦で73・39点で首位発進した。

スロージャンプは着氷が乱れたが、最後まで滑り抜いた。三浦は「試合で初めての新しいショートプログラムを大きなミスなく終えられたので良かった」、木原は「2人で楽しめたのがこの結果につながったかな」と振り返った。

練習拠点は会場の隣町。大会のパンフレットなどでも大きな扱いを受けている。この日も会場にはチームメートが駆けつけ、声援を送っていた。「純粋にうれしい」と喜ぶ三浦だが、結成4年目で初の危機を乗り越えてきた。

3カ月前、日本でのアイスショーで左肩を脱臼し、2カ月間も2人で万全な練習ができなかった。拠点のカナダに戻っての再開は9月中旬。木原は「初戦なのでもちろん結果を出せたらベストですけど、焦らず、まず自分たちの今シーズンの立ち位置を知る大会になる」ととらえていた。

日本のペアとしては初のGPシリーズ優勝がかかるが、木原は「明日も、コーチから言われているように、楽しんで滑ることを心掛けたい。それで結果がついてくれば幸せですけど、まずは結果よりも楽しむ気持ちです」と強調した。勝利は意識せず、29日(日本時間30日)のフリーへ臨む。(ミシソーガ=阿部健吾)