バスケットボール全国高校選手権(ウインターカップ)道予選が11日、室蘭・栗林商会アリーナほかで開幕する。女子は8年ぶり出場の札幌北斗が、総体道予選8強で敗退した3年生3人を主軸に、決勝リーグに進出できるチーム初の4強入りを目標に掲げる。

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札幌北斗が冬の陣で夏の雪辱を目指す。8年ぶりの道予選は初戦で稚内と対戦する。加藤咲空主将(3年)は「総体で納得がいかなかった分、最後の大会で全力を出し尽くしたい」と決意を口にした。今夏の総体道予選は3回戦で旭川藤星に敗れ4強入りを逃した。今大会は、まず4強が至上命令だ

目標に向け、練習の最後に行う15メートルを8往復するランメニュー「シックスティーン」で走力を強化してきた。コロナ対策でマスクを着用しているため心肺機能向上の効果もある。蓄えられた体力はルーズボールの競り合いや速攻などで生かされる。9月の札幌地区予選決勝では効果もあり、20年全国出場の北星学園女に公式戦初勝利を挙げた。森通衣(3年)は「きつい走り込みのおかげで40分間、走り切る力は付いてきている」と自信を見せる。

総体道予選時に7人いた3年生は終了後に4人が引退し、加藤、森と高橋まつりだけが残った。3人には「まだやり切ってない」という共通の思いがあった。週1日のオフは、ほぼ一緒に過ごすほど結束は固い。食べることが共通の趣味で、自宅にファストフードを持ち寄って時間をともにする。高橋は「2人とまだバスケを続けたいという思いが強くなった」と話す。

地区決勝で31得点、16リバウンドをマークした森が攻撃の要になる。得意のリバウンドからの速攻を武器に点を稼ぐ。加藤の精度の高い3点シュート、高橋の1対1の強さも得点源になる。政氏拓留監督(31)は「最後の大会なので自分のやるべきことをしっかりやってほしい」と期待する。加藤は「どのチームが相手でも自分たちのプレーをして、ずっと目標だった決勝リーグのコートに立つために1つ1つ勝ちたい」と誓った。【石井翔太】