GPシリーズ2戦目を迎えるアイスダンスの村元哉中(29)、高橋大輔(36)組(関大KFSC)の気持ちが合致していた。NHK杯は20年大会で2人で挑んだ初試合。

高橋が「デビューした時は3年目もやってると思ってなかったんですけど。またNHK杯に戻ってくることができて、すごくうれしかったなと思いますし、デビュー戦からここまでで成長も感じられている」と感慨深く言えば、村元も「『かなだい』の始まりの大会。特別な思いもある中で、この2シーズン終えて成長してきたと実感できているので、早く演技したいなという感じです」と自信をのぞかせた。

この2年間の歩みに、ともに手応えがある。直近の強行軍も、大きな一歩だった。第1戦スケートアメリカを6位で終えると、エキシビションを終えてそのまま空港へ。米国から直接カザフスタンに飛び、デニステンメモリアルチャレンジに出場。国際スケート連盟(ISU)公認大会で初優勝を飾った。

高橋は「時間がなかった中で、レベルの取りこぼしの改善ができたり、GOEも上げられて、その事がよくできたなと感じていて」と振り返れば、村元も「私自身、国際大会での優勝が初めてだったので、君が代を表彰台の真ん中で聴けたのも特別な感情がありました」。カップルとしての歴史に加える大事な瞬間となった。

今季の1つの目標を、全日本選手権の初優勝に置く。村元は「そこにつながる自分たちが納得いく良い演技をしたい」、高橋は「1つ1つの試合を大事に」と見据えた。【木下淳、阿部健吾】