チーム創設10周年を迎えた“新生”青森ワッツが反撃に出る。一昨季は7勝51敗、昨季は5勝47敗という結果で2年連続のB2リーグ総合最下位。この結果を受け、今季は高原純平ヘッドコーチ(HC、42)を招聘(しょうへい)し、選手はB1秋田でプレーし、2年連続B1ブロック王に輝いたアレックス・デイビス(30)をはじめ、登録12人中10人が入れ替わるなど、体制を大幅リニューアル。現在、B2東地区4位の6勝7敗と、早くも勝利数で昨季を上回った。波に乗る青森が、今日19日から始まるアウェー山形戦を連勝し、一昨季の7勝超えを狙う。

昨季と明確に変わったのがリバウンドだ。17日に青森市内で行ったチーム練習では、リバウンドを取ってから素早く攻撃を展開する流れがよく見られた。高原HCは「リバウンドを取ってから走るチームが一番良い」と語り、昨季の1試合平均リバウンド数が31・8と、リーグ最下位だったが、今季は現時点で42・4をマークしリーグ首位。HCが求めるバスケットが如実に表れている。また、選手間のコミュニケーションも昨季より密になった。17日の練習でも、今季のゲームキャプテンを務めるデイビスを中心に1つ1つのプレーで選手同士が意見を交わしていた。「交流を密に取るのが僕の信条。オフコートでもチームを助けることが自分のやるべきこと」とデイビス。新HC、新戦力を中心に、セカンドチャンスを与えない、徹底したリバウンドとコミュニケーションが“新生”ワッツの強みだ。

昨季は山形に0勝3敗。今季のプレシーズンでも競り負けた。高原HCは「リバウンドで圧倒できれば、勝ち切れると思っています。ふたつ勝ちたいですね」。節目の年に、このワンチャンスをつかみ取る。【濱本神威】