フィギュアスケートの全日本選手権は24日、大阪・東和薬品ラクタブドームで女子フリーを迎える。ショートプログラム(SP)トップの坂本花織(22)は23日の公式練習で、新調した赤と青の衣装を初披露。SP2位の三原舞依(23=ともにシスメックス)は3・09点差で首位を追う。4位発進の島田麻央(14=木下アカデミー)はトリプルアクセル(3回転半)と4回転トーループの大技2本に挑戦。23年世界選手権、世界ジュニア選手権などの大舞台を懸けた競演となる。

    ◇    ◇    ◇

赤地に青のメッシュを重ねた衣装で、坂本は前日調整を終えた。フリー曲をかけての通しでは、得点源のフリップ-トーループの連続3回転ジャンプなどを着氷。2連覇へ「(衣装は)気に入っています」と笑顔を見せ、同じ最終組の三宅とともに「頑張ります」と声をそろえて引き揚げた。

グランプリ(GP)ファイナル優勝の三原は、曲をかけての通しでジャンプを次々と着氷。最終盤こそ乱れたが、持ち前の修正力でフリーに備える。首位と7・51点差の島田は、逆転優勝となれば03年安藤美姫以来、19年ぶりのジュニアの頂点となる。35分間の練習では4回転トーループを2本、3回転半を4本着氷。初出場で緊張感漂うフリーに向けて「(調子は)良くも悪くもないです」と冷静な表情で自己分析した。

    ◇    ◇    ◇

★最終組6選手の寸評

 

坂本 GPファイナル前にエンジンかけるも「スコーンッ、スコーンッ」と空回り。帰国後「もう暴走するしかない。スピード違反で捕まろうが知らん」と走り込み、フリーの“燃料”補充。演技後半に「ここから勝負」と思えた時には「たぶん無敵?」と自信あり

 

三原 力強さ増すフリーで「恋の魔術をかけないと」と誓う。どこを切り取っても絵になる「女優さん」を目指して精進中。コーチ命名の「集中力の神様」は、演技中も「あのお客さんと目が合った」と感じるほど。GPファイナル女王は「全日本は全日本」と集中

 

千葉 羽生結弦さんのアイスリンク仙台と東北高の後輩。4歳の時に初めて会って鬼ごっこしてもらい「もね」と呼ばれ、憧れの五輪2連覇王者を追って武器の3回転半を磨いた。SP3位後は「拍手が優しい雨のように感じました」と本家譲りのコメント力も光る

 

島田 笑顔は「苦手です」と苦笑いの14歳。小5で故郷の東京から京都に引っ越し、関西弁は「聞くのは慣れた」が自分は話さない。名前の由来は浅田真央さん。4回転トーループと3回転半を組み込むフリーで躍動し、大会後にはお待ちかねのディズニーランドへ

 

三宅 春に地元岡山から神戸へ拠点変更。坂本とはモーニング仲間で、買い物中に“ファッションショー”。前回大会は26位でフリーに進めず。中野コーチ門下生が鍛えられる「ミス止め(ミスをすると曲が止まる)練習」で「意地でも立ってやる」と根性がついた

 

河辺 北京五輪、世界選手権後に地元愛知へ拠点を移し、心機一転の再出発の嵐ファン。性格の自己分析は「雑」。振り付けも担当の樋口コーチから「表現が全部、中途半端」と指摘され、感情を外に出せるように意識付け。フリーへ「絶対に巻き返してやる!」