札幌山の手は京都精華学園に81-99で敗れ、11年ぶりの優勝には手が届かなかった。森岡ほのか主将(3年)が31得点と決勝でも存在感を発揮したが、188センチの相手留学生イゾジェ・ウチェ主将(3年)に、35得点18リバウンドと力を見せつけられ、屈した。卒業後、Wリーグ日立ハイテクに進む森岡は次のステージでの活躍を誓った。

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森岡主将は笑顔だった。11年ぶりの優勝には届かなかったが、試合後晴れやかな表情で言葉を発した。「準優勝という結果には満足していないけど、ここから先のバスケ人生に生かされることも多かった。この経験を無駄にしないで、これからの自分の成長につなげていきたい」としっかり前を見つめた。

決勝でも司令塔としての役割を存分にみせた。3点シュート5本を含む31得点7アシスト。「山の手の走るバスケットと、最後まで諦めない気持ちをコートの中で出せたのでよかった」。今大会最多の165得点を記録し、岡井遥香(3年)とともに優秀選手賞に選ばれた。

試合は相手ペースで進んだ。イゾジェに前半だけで11リバウンド18得点を許した。最終第4クオーター(Q)で森岡主将や谷口憂花(2年)の3点シュートが決まったが反撃は及ばず。谷口は「この悔しさをバネにやっていきたい」と来年へ気持ちを切り替えた。上島正光コーチ(79)は「この決勝の舞台まで来られるということは考えてもいなかった。ここまで来られただけでも上々」と選手たちをたたえた。

森岡主将は日立ハイテク入りが内定しており、入団前に競技者登録できるアーリーエントリーで、来年1月8日からWリーグ出場が可能となっている。「小さい頃からの夢でもあったのでここで満足せず、日本を代表する選手になったり、高い舞台を目指していきたい」と、次のステージで活躍する姿を思い描いた。【山崎純一】

○…札幌山の手・上島コーチが森岡の今後の活躍に期待した。試合後の会見で「今1番彼女に求められるのはスピード。それさえつけば、かなりのいいガードに育っていってくれるんじゃないかなと思う」と口にした。同校卒業生で21年東京五輪銀メダルの町田瑠唯(29=富士通)と比べ「視野の広さだとかは何も変わらない。どちらかと言ったら森岡の方が得点力は町田より数段あると思っている」と太鼓判を押した。

◆テレビ放送 男子決勝は29日午後1時からテレビ朝日系で生放送。

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