競泳の北島康介杯が21日、東京辰巳国際水泳場で行われ、21年東京五輪男子200メートルバタフライ銀メダルの本多灯(22=日大)が、専門外の400メートル自由形で3分48秒77で優勝した。女子でこの日3種目に出場した小堀倭加(セントラル戸塚)は400メートル個人メドレーと400メートル自由形を制し、200メートル背泳ぎで2位。池江璃花子(ルネサンス)は100メートル自由形で3位だった。

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大会出場は「高校生のとき以来」という専門外の種目でも、本多が強さを見せつけた。自己ベストを9秒以上更新。「シンプルに優勝できたことがうれしい。今日は二重丸」と胸を張った。東京五輪で銀メダルを獲得した200メートルバタフライを軸に、個人メドレーでも活躍。久しぶりに400メートル自由形に出場した理由は「どれぐらいのタイムが出せるかという興味本位で」。のびのびと泳ぎ、進化を示した。

前日には本職の200メートルバタフライを大会新記録で制した。最終日の100メートルバタフライも制すると、賞金50万円の最優秀選手にさらに近づく。「MVPはもちろん取りたい。まずはその前に、一番の目的である自分のレースの確認を忘れないようにしたい。それをこなせば、結果はついてくる」。浮かれることなく、最後まで全力で泳ぎ切る。

〇…池江は100メートル自由形を54秒95で3位だった。「今日の目標は54秒台を出すことだった。それをクリアできたことは良かった」と振り返った。なかなか調子が上がらないなかで、自分を追い込みすぎないよう心がける。「とにかく優勝ばかり目指していても、負けたときにしんどくなるだけ。今回は勝ち負けにこだわらない」。最終日は100メートルバタフライと50メートル自由形の2種目にエントリーしている。

〇…約45分間で決勝3レースに出場した小堀が金メダル2つと銀メダル1つを獲得した。「高強度の練習という狙いだった。強化としてはすごくいい結果」と納得の表情を浮かべた。1日3種目出場は初めてだといい、予選を含めると1日6レースも未経験だったが、合計2000メートルを力強く泳ぎ抜いた。「思っていたほど疲れはないけれど、明日が少し怖いかな(笑い)」。心地よい疲労感に浸った。