24年パリ五輪の新種目に採用されたブレイキン(ブレイクダンス)の全日本選手権(2月18~19日、東京・代々木第2体育館)概要発表会が27日、都内で行われ、大会3連覇を狙う男子のSHIGEKIX(シゲキックス)こと半井(なからい)重幸(20)ら強化選手7人が出席した。昨年の世界選手権(韓国)で準優勝の半井は「年度の締めくくり、かつ新たなスタートとなる大会。365日の練習でレベルアップした姿を見せたい」。女子で昨年の世界選手権金メダルのAMIこと湯浅亜実(24)は「パリに向けて認知度の高まりを感じる。全日本では楽しく自分らしく気持ち良く踊りたい」と燃えた。

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ブレイキン(BREAKING)

▼発祥 1970年代、米ニューヨークのサウスブロンクス地区で誕生したストリートダンス。貧困下で抗争が絶えなかった中、若者が暴力ではなくダンスバトルを始めたのがきっかけ

▼対戦 DJが即興で流す音楽に合わせて、ダンサーが1対1で向き合って交互に踊る。演技時間は約1分間。技術や独創性を競った後に審判の判定で勝敗が決まる。他のダンススポーツにはない音楽のDJと司会のMCがいることが特徴

▼要素 動きは大きく分けて4つあり、各選手が独自にアレンジして演技構成

(1)トップロック(冒頭などで立って踊るダンス)

(2)フットワーク(しゃがんで床に手をつき、素早くステップを刻む足さばき)

(3)パワームーブ(体を回転させる動きで、背中や肩で回るウインドミルや頭で回るヘッドスピンが有名)

(4)フリーズ(一連の動きから一転、音楽に合わせて体を制止させること)

▼五輪種目 18年ユース五輪ブエノスアイレス大会で初採用され、日本勢はRAMこと河合来夢が女子と混合団体で金メダル2個、男子の半井が銅メダルを獲得。20年12月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で24年パリ五輪の正式種目に採用された。五輪への関心が薄れる世代を呼び込む狙いがある。国内は28年長野国体で採用を目指す

▼競技人口 ストリートダンス全体で推計600万人とされ、全国2082の高校にダンス部がある(21年)。正確なデータはないが、ブレイキンが一定数を占めているという。統括団体の日本ダンススポーツ連盟に、試合出場等のためダンサー登録しているのは約1000人。日本は男女とも世界トップの実績を誇る