今季グランプリ(GP)ファイナル優勝ペアの「りくりゅう」こと三浦璃来(21)木原龍一(30)組(木下グループ)が、初日から参加した。

昨年末の全日本選手権は飛行機の遅延にロストバゲージが重なる不運に見舞われ、欠場。今回は拠点のカナダ・オークビルから「(スケート靴を)持ち込めたので」と木原。無事、予定通りの前日6日夜に当地へ入り「時差も2時間しかないので、問題なく練習できました」と続けた。

全日本の欠場を受け、オフが1週間に延びたことを前向きに考え、年末年始は日本で過ごした。家族や友人と過ごし「1月3日にカナダへ戻って(本拠での)練習を再開しました」と三浦が説明。日本人初の快挙を遂げた12月のGPファイナル以来、約2カ月ぶりの実戦となる4大陸選手権へ調整を進めてきた。

全日本以降、2人の情報がないため新年の誓いを1カ月遅れで尋ねられると「健康に過ごせれば」(木原)。年末の本紙取材で色紙につづったトータル220点超えという目標には「シーズンの目標」として4大陸選手権、世界選手権(3月、さいたま)と代表権は未定だが、世界国別対抗戦(4月、東京)で狙う。

しかし、木原は「高地(標高1800メートル超)ですけど、思い込み。きついと思うと、きつくなる。何度やってもフリーはきついですし、関係なく最後は気持ちですね。璃来ちゃんも、ここに来る前のカナダより、すごくいい動きをしていたし、力強かったので何も心配はないかな」と好調をアピール。自己ベストは昨年11月のGPシリーズNHK杯(札幌)で出した216・16点で、その更新を23年の初戦から遂げる予感も漂わせた。

4大陸選手権は20年のソウル大会に出場して8位。木原は「あの時はプレカン(表彰台に乗った組だけのプレスカンファレンス)の会場で取材だけ受けて『いつか、この席に座ろうね』と話し合ったんです」と振り返ったが、その日から3年が経過して優勝候補の最有力ペアに。「まだまだ自分たちは成長していかないといけないと思うんですけれども、そういう表彰台を争える位置に来たことはうれしく思いますし、また頑張らないといけないなっていう風には思います」と心境を口にした。(米コロラドスプリングズ=木下淳)