フィギュアスケート女子で昨年2月の北京オリンピック(五輪)に出場し、現在は休養中の樋口新葉(22=明治大/ノエビア)が、金色の髪をなびかせて、復帰への思いを打ち明けた。11日、都内で行われた北京五輪1周年記念イベント「TEAM JAPAN WINTER FEST」のトークショーなどに登壇した。

鮮やかな金髪ヘアで姿を現すと、会場からはどよめきの声が上がった。「特に何も考えず髪を明るくしてみたいなという思いと、今の期間しかできないことなのでやってみたいなと思った」。笑顔でヘアチェンジの理由を説いた。

樋口は北京五輪で団体銅メダルに貢献し、個人5位に入った。しかし、昨年4月に右すねの外側の骨を疲労骨折。今季の競技会は全休している。

スケートから離れた期間には「今しかできないこと」に取り組み、昨年12月にはホノルルマラソンで42・195キロを走った。そこで気付いたのは、自分の素直な思いだった。

「つまらないじゃないけど、生活している上で物足りないなと感じて。何かしら戦うことだったり、自分の目標をつくって頑張ったりすることが好きなんだなと感じた」

時にはスケートリンクへも足を運んでいる。静かな語り口で未来を見据えた。

「これからのことをたくさん考えて、結局、まだ競技をしたいなと思っているので、ゆっくり自分のペースで戻っていけたらいいなと思います」

26年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へも思いをはせる。

「五輪は自分の夢で、1回だけで終わりたくないと思っている。心と体の状態と相談しながら、自分のペースでやっていきたい」

2月の温かな日差しを浴びながら、少しだけ目を細めて、はっきりと言った。 今の自分とゆっくり向き合いながら、次の1歩を決めていく。【藤塚大輔】