「チャッスーペア」こと松村千秋(30=中部電力)谷田康真(28)組が、3年ぶり2度目の優勝を飾った。

小穴桃里(27)青木豪(23)組に8-7で勝利。21年の前回大会は準Vに終わったペアが、1次リーグから9戦全勝で完全優勝を果たした。谷田は「なかなか言葉には表せない」とかみしめた。

劣勢をはね返した。第1エンド(E)で有利な状況をつくられると、大量4点を先制された。暗雲が垂れ込めたが、第2E以降に反撃開始。3エンド連続で1点ずつを奪うと、3-5で迎えた第6エンドで4点を奪取し、試合をひっくり返した。その後はエキストラエンドに持ち込まれたが、我慢強く勝ち切った。

苦しい試合をものにした松村千は「メンタル的にも谷田選手は削られたんじゃないかと思いますが、勝ててよかったです」と笑みをはじけさせた。

この大会にかける思いは、どのペアよりも強かった。国内では多くのペアが4人制を中心にプレーする中、松村千・谷田組は混合ダブルスに軸足を置いてきた。谷田は昨年6月にコンサドーレを退団。松村も4人制の中部電力ではフィフスに回り、この競技に力を注いできた。

海外ツアーにも積極的に参戦し、今年1月上旬の米ツアーでは優勝。1次リーグ期間中に谷田は「今シーズンはツアーでも劣勢で戦ってきた」と自信をのぞかせていた。

誰よりも経験値を積み重ね、やっとの思いでつかんだ頂点。2カ月後の世界選手権(4月22~29日、韓国)の切符もつかんだ。松村千は「この先もっともっといいパフォーマンスをしていきたい」とさらなる飛躍を期した。

◆混合ダブルス(ミックスダブルス)とは

1チーム(男女各1人)が5個ずつストーンを投げる。各エンドはストーン2個をあらかじめ配置した状態からスタート。1人が1投目と5投目を投げ、もう一方の選手が2~4投目を担う。各チームとも、1試合で1度だけパワープレー(ストーンの初期配置を左右どちらかにズラし、複数得点を狙うこと)を行使できる。10エンドで終了の4人制と異なり、試合は8エンドで終了となる。五輪では、18年平昌オリンピック(五輪)から正式種目に採用された。