日本体育大の卒業式が15日、東京・世田谷キャンパスで行われ、ボクシング女子フェザー級の21年東京オリンピック(五輪)金メダリスト、入江聖奈(22)が午前の部(体育学部)に出席した。

黄色に渋緑のはかま姿で、卒業生を代表し「不器用な自分を受け入れたことで自信がつき、東京五輪で夢をかなえられた」とあいさつ。「一番の思い出と言えば東京五輪の金メダルになるんですけど、学生生活としては19歳の時に友達と20~30キロの山登り(鳥取・大山)をしたことかな。午後8時から登って朝5時ごろ5合目でお母さんに助けに来てもらいました」と笑い飛ばした。

卒業論文は、体育大だが心理学のゼミに所属していたため、テーマをカエルにした。「心に関係していれば使っていいということだったので」。寝ていたり、笑顔のように見えたりするカエルの写真を示し、見た人間の反応についてまとめたという。

11月の全日本選手権決勝を最後に引退。来月から東京農工大の大学院へ進み、愛するヒキガエルの研究に専念する。「やっぱ部活に行かなくなったのは大きな変化でしたね。その代わりに最近、夜はずっとカエルの調査をしているので同じく夜行性になってます(笑い)。指導教員の方から『来年5月までに論文をまとめるように』と指示されているので、カエルにいっぱいストーカーして頑張っていきたい」と新たな春への抱負を口にした。

現在は起床してからデータを整理し、午後は網を持って都内の公園へ行き、ヒキガエルの生態について調査している日々という。

「都会の中でも、どうやったらヒキガエルが暮らしやすいか、とか。私の研究から少しでも示唆できるような研究がしていきたい。将来はカエルを守れる研究者になりたい。カエルの話ばっかりしてすみません!」と最後まで明るかった。