札幌市出身の元プロテニスプレーヤー小畑沙織氏(44)が、国際テニス連盟(ITF)の公認大会「札幌アスアスラボ国際チャレンジカップ」(7月24日から3週連続開催、札幌・平岸庭球場)で初のトーナメントディレクターを務める。「この大会をステップに、どんどん(世界ランク上位に)上がってもらえるような環境作りをしたい」と、大会運営に意欲を見せた。

コロナ禍の一昨年、伊達公子氏(52)から手紙が届いた。世界で50位以内に入った経験のある選手による一般社団法人Japan Women’s Tennis Top50 Club(JWT50)への誘いだった。次世代の選手の環境作りを目指す趣旨に賛同。昨年6月の法人発足に加わった。「微力でも力になれればと思いました」と話す。

現役時代は4大大会(全豪、全仏、全英、全米)すべての本選に出場。03年全米と翌年の全豪では3回戦まで進出し、世界ランクは最高39位を記録した。4大大会初出場となった02年全英は、いきなり初戦を突破。「小さい時からのあこがれの場所(ウィンブルドン)で、怖いものもなく、楽しくプレーできたのが結果につながった」という。

98年の全日本選手権決勝で痛めた右ひざ十字靱帯(じんたい)損傷が尾を引き、06年に現役引退。現在は橋本総業ホールディングスでコーチ、そして故郷の大会のトーナメントディレクターを業務に加えた。「北海道のジュニアの選手が世界で活躍するためのお手伝いができれば」。故郷で世界を目指す後輩をサポートする。【中島洋尚】

◆小畑沙織(おばた・さおり)1978年(昭和53)4月23日、札幌市生まれ。札幌前田中-東京・富士見ケ丘高-ヨネックス。5歳でテニスを始め、高3の高校総体単複優勝。98年全日本選手権単優勝。4大大会は全て本選出場。最高成績は03年全米、04年全豪の3回戦進出。04年アテネ五輪出場。世界ランキング最高位は04年2月の39位。06年に引退。現在は昨年の日本リーグ2位の橋本総業ホールディングスでコーチを務める。左利き。家族は夫と1女。