女子200メートル個人メドレーで、東京・淑徳巣鴨高2年の成田実生(金町SC)が頂点に立った。

東京五輪同種目金メダルの大橋悠依(イトマン東進)を終盤で抜き、2分10秒91を記録。涙を流して「1つ目の目標をクリアできて、うれしいです」と初の世界選手権代表切符を喜んだ。

前半は先行されたが、平泳ぎで猛追し、最後の自由形まで諦めなかった。「今までなったことがない(体の)感じ。一生懸命、手を回して…」。1年前に0秒71差で大橋に敗れ「頑張ったけれど、全然差が縮まらなかった」と笑った姿とは違う。「負けたくない強い気持ちと『絶対に代表に入りたい』思いがあった」。22年世界ジュニア選手権で3冠を達成した16歳は、大舞台でその殻を破った。

東京・葛飾区出身で幼稚園入園前に水泳を始めた。昨年の世界選手権はインスタグラムを通じて雰囲気を知り「みんなキラキラしていた。そこに立ちたいと思った。格好いい姿を見せたいです」と胸が躍る。次の目標は9日の400メートル個人メドレーの代表切符だ。「『うれしい』だけじゃなく、切り替えて自己ベストで取れるようにしたいです」。ニッコリと笑う有望株に、満足はない。【松本航】