バレーボールVリーグ1部のプレーオフ「ファイナル4」第2日が9日、群馬・高崎アリーナほかで行われ、女子のレギュラーラウンド(RR)4位から下克上を狙うNECが昨季覇者で同3位の久光を下し、ファイナル(22日、東京・代々木第1体育館)進出へ望みをつないだ。同首位の東レは連勝でファイナル進出を決めた。男子は、3連覇を狙う同2位のサントリーが2連勝で、ファイナル(23日、同)に駒を進めた。

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RR4位から2016-17年シーズン以来の優勝を目指すNECの“逆襲”が始まった。2連覇を狙った久光にストレート勝ち。1勝1敗とし、15日に埼玉上尾とファイナル進出をかけた一騎打ちに臨む。

日本代表で主将を務めるアタッカー古賀紗理那(26)が、白い歯をこぼした。2-0で迎えた第3セット。一時は大きく離されたが、最後は6連続ポイントで最大6点差をはね返した。「勝たないと苦しい試合で、チーム一丸となって勝てた。次も1つになって戦う」。チームトップの13得点をたたき出し、試合で最も活躍した選手「VOM」に選出されたエースは、すぐに表情を引き締めた。

悔しさが、逆境での強さにつながっている。昨季のRR最終戦。勝てばファイナルラウンド進出だったが、ホームで久光に敗れて涙をのんだ。「もう1度粘り強いバレーを」。金子監督の下でその意識を徹底。今季は5位JTと23勝10敗で並ぶも、獲得セット数で付与されるポイントで6点上回り、ファイナル4の切符をつかみ取った。

前日8日は東レにストレート負けも、気持ちを切り替えて昨季覇者を相手にやり返した。次戦で埼玉上尾を破っていざ下克上へ-。ファイナルの舞台では、その東レが待っている。【勝部晃多】

◆久光 RR3位から連覇を目指した昨季覇者は、2連敗を喫してファイナル4での敗退が決まった。NECに0-3の力負け。前日8日に同2位の埼玉上尾にフルセットで逆転負けしており、選手に疲労が見え隠れした。15日の最終日は、ファイナル進出を決めた東レと対戦。引退を表明しているアタッカーの石井は現役ラストゲームとなる。

◆ファイナル進出には 男女ともRR上位4チーム総当たり戦の「ファイナル4」上位2チームが出場。ここまで2戦2勝の東レ(女子)とサントリー(男子)は進出が決まった。残り1枠は、女子は15日に愛知・スカイホール豊田で行われる埼玉上尾-NECの勝者、男子は16日に同所で行われる名古屋-パナソニックの勝者が進む。