日本がワールドカップ(W杯)フランス大会前の国内最終戦を白星で飾れなかった。開始早々にフランカーのピーター・ラブスカフニ(34)がレッドカードで一発退場。この数的不利も響き、前半はノートライの無得点で0―21で折り返した。後半もなかなか流れをつかめない中、31分にWTBジョネ・ナイカブラ(29)、37分にセミシ・マシレワ(31)がトライを挙げたが、前半に許したリードが大きすぎた。

 試合後、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、53)は「キープレーヤーが退場になって厳しくなった。14人での難しい試合になったが、最後にトライを取れ、選手たちを誇りに思う」と振り返った。

 先制トライを許し、0-7で迎えた前半7分だった。フランカー・ラブスカフニが相手の頭部に肩口が入った危険なタックルでレッドカードを出され、一発退場。攻守の軸を欠く14人となって、劣勢展開を強いられた。スクラムは、ラブスカフニを欠いたため、急きょWTBナイカブラが入るも押し込まれる場面が続き、これによって1人少なくなったBK陣も後手に回った。

同17分にはスクラムを押し込まれてからのトライでリードを広げられ、同38分にも5メートルスクラムからトライを献上。オフェンスも勘所でのパスミスが出るなど決め手を欠き、前半ノートライの21点ビハインドで折り返した。

後半は開始からFW1列目を総入れ替え。稲垣→クレイグ・ミラー(32)、坂手→堀江翔太(37)、アサエリ愛→具智元(29)に替え、SHも斎藤→流大(30)に交代した。前半から途中出場したFL下川甲嗣(24)も、23年初出場の代表戦で出足鋭いタックルを見せるなど奮起したが、フィジーの勢いを止められず。18分には30メートル以上を走りきられてのトライを献上するなど差を広げられた。31、37分にトライを奪うも、反撃が遅すぎた。

W杯前の国内5試合は1勝4敗で終えた。15日にはW杯メンバー33人の発表が控える。前回8強から一気に頂を狙う日本の合言葉は、大目標の優勝を世界最高峰の山になぞらえて「エベレストに登る」。試合後、ゲームキャプテンを務めたNO8姫野和樹(29)は「国内の5試合、皆さんに結果を届けることができず、悔しい思いです。ただ僕たちはW杯という高い山に向かって、まだまだ旅路の途中です。残り少ない時間、しっかりチームでこの結果を受け止めて、絆をもって、修正してW杯に臨みたいと思います」と決意表明した。本番の舞台まで約1カ月。暗雲を払拭し、巻き返しを期す。

日本がフィジーに完敗、数的不利響きW杯メンバー発表前最後の試合飾れず/ライブ詳細