座長を務める荒川静香さん(41)の大トリは、名スケーターによるアイデアの融合!? 

06年トリノ五輪(オリンピック)金メダリストが、ソロナンバーのトリで「Utayo」を演じた。水色の衣装でスパイラルや代名詞のイナバウアーを組み込みながら、華麗な演技を披露。リハーサルを終えると「壮大に滑ったり、緩急があるプログラム。日本語の歌詞で、お客さんの心にも届きやすいと思います。苦しい時、つらい時に周りの人が幸せに見えるけれど、明日はやってくる。『強く進んでいく』という葛藤が、1つのプログラムに組み込まれています」と見どころを明かした。

振り付けは昨季限りで現役を引退した、村元哉中さん(30)が担当したという。荒川さんから依頼したが、ちょうど村元さんが高橋大輔さんとの“かなだい”で演目を作るために渡米する直前だったという。村元さんは「荒川さんの1つのポーズ、ラインがすごく好きで、ダブルアクセルが大好物。曲自体の歌詞がドーンと響く。コンテンポラリーな細かい動きで見せたい思いが強く、自由に振り付けをさせてもらいました」と完成までの過程を振り返った。

7月の米国滞在時から村元さんが振り付けを始め、荒川さんは「大ちゃん(高橋大輔さん)が歌ってくれていて、哉中ちゃんが踊っている、特別な動画で私の振り付けが進みました。大ちゃんも共同で作ってくれて、実は織田(信成)くんが選曲してくれたという独特な経緯。みんなが私に対して思ってくれたのがうれしくて『一生懸命滑らないと』というプレッシャーがあります。大事に滑りたいと思っています」と笑顔を見せた。村元さんの帰国後は対面でもブラッシュアップし、披露に備えてきた。

今回のショーは25~27日の各日2公演ずつ予定されており、関係者によると現在もチケット購入可能という。全体を引っ張る立場となる荒川さんは「今回はお客さまが声を出したり、感じたアクションをとっていただける。とにかくいろいろな感情になれるアイスショー。活力にしていただきたいという願いです」とコロナ禍を乗り越えての本番を待ちわびた。【松本航】