22年北京五輪(オリンピック)銀メダルの鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)は4回転ジャンプで転倒はあったが、高い技術力、表現力で89・80点まで得点を伸ばし、首位発進した。
「6分間と公式練習で、しっかりと調整してたつもりだったんですけど、本番で1発目のジャンプだからなのか、少し足の動きが小さくなってしまったのが原因かな」。そう冷静に振り返ったのは冒頭の4回転サルコー。動きが窮屈になって軸が曲がり、転倒した。
ただ、その後の切り替えは見事。ルッツートーループの連続3回転、後半のトリプルアクセル(3回転半)と加点を稼ぎ、演技構成点でも9点台を並べた。「ミスを引きずらずに、しっかりと落ち着いて決めることができた」とうなずいた。
日本での有観客での試合は昨年末の全日本選手権以来。「日本のお客さんの前で、たくさんの人の前で滑ることができたので、最初から楽しいなっていう気持ちはありました。気持ち的には落ち着いてできたかな」と振り返った。
2週間前のロンバルディア杯(イタリア)では1年6カ月ぶりの国際大会で優勝を飾った。何よりコーチとして新加入した14年ソチ五輪銅メダリストで欧州女王に3度輝いたカロリナ・コストナーとも、多くの時間を過ごせた。父の正和コーチに加えて、大きな援軍。「自分としては、スケーティングの伸びっていうのも課題だったりするので、そういった部分もたくさん教えていただけました」と感謝した。【阿部健吾】