来夏のパリ五輪予選を兼ねる男子W杯バレーは第2日を迎え、日本代表(世界ランキング5位)は第3戦で同20位のチュニジアに3-0でストレート勝ちし、2勝1敗とした。
第1セット(S)は高橋藍のショートサーブなどで3-0と先行。エースの石川祐希も要所でスパイクを決め、先発に起用された高橋健太郎のクイックなどで点差を広げてセットポイントに。最後は高橋がスパイクでワンタッチとして、24-14で第1Sを先取した。
第2セットも序盤に4連続得点と7-2とリードする展開。セッター関田が積極的にミドルに上げたボールを、迷うことなく相手コートに打ち込み続けた。25-16で制し、3戦連続で2S連取を決めた。
問題は第3Sだった。9月29日の第1戦のフィンランド戦では2-0からフルセットに持ち込まれた末に辛勝したが、続く30日のエジプト戦で悪夢が待っていた。2戦続けて圧勝ムードで2-0と先行したが、第3S以降に反撃を受けてフルセットの持ち込まれると、今後は競り負けて2-3の敗北。格下相手に痛恨の黒星、2戦続けての同じような展開、主将の石川は「これが今の僕たちの力だと思う。今日は負けてしまったので後は勝つしかない」と覚悟をみせていた。
上位2カ国がつかむパリ五輪切符へは、負けられない状況に追い込まれていた。雰囲気を変えたい第3戦。この日は同じ轍(てつ)は踏まなかった。第3S開始から西田のサービスエースなどでリード。ラリーも粘り強く制して3連続得点も決め10-5と流れをつかんだ。そのまま25-15で押し切ってストレート勝ち。過去2戦の悪い流れを断ち切った。
試合後、石川は「まず、2戦目の敗戦から切り替えてこのような結果を取れてうれしいです」と述べ、「少しシャットをくらうケース多かった。その辺を修正して、明日は間違いなく良いプレー、もっと上げていくように調整していきます」と力を込めた。次戦は4日のトルコ戦(同14位)となる。「残りの4試合必ず勝って五輪の切符を取ります」と固く誓った。
◆パリへの道 パリ五輪出場枠は開催国フランスを含む12。五輪予選のW杯バレーは、世界ランキング上位24カ国が8カ国ずつ3組に分かれ、総当たりで対戦。男子はブラジル(同A)、日本(同B)、中国(同C)で30日に開幕し、各組上位2カ国の計6カ国ずつが出場権を得る。残る5枠はネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド終了時(6月)の世界ランキングで決定。日本がW杯バレーで出場権を逃した場合は、VNLに出場し、ポイントを重ねてランキングをより上位に上げることが必要。W杯バレーでの大陸別の切符獲得状況も、重要な要素となる。