日本(世界ランキング4位)がスロベニア(同7位)に3-0でストレート勝利を収め、来夏のパリ五輪(オリンピック)出場権が与えられる2位以上を確定させた。1992年バルセロナ大会以来、男女を通じて32年ぶりとなる「五輪前年の切符獲得」を成し遂げた。

司令塔のセッター関田誠大(29)は、同じセッターとして東京五輪に出場し、今年3月に31歳で亡くなった藤井直伸さんの思いも胸に戦った。試合が終わると、藤井さんの背番号「3」のユニホームを身に着け、場内インタビューに登場。「ほんとにしんどかったですし、藤井さんがいたかった場所に、自分もここに立って、頑張ろうと思って戦った結果、皆さん助けてくれた。支え合っていけた結果が出たので本当によかった」と瞳を潤ませた。

インタビュアーから「(敗戦した)エジプト戦の夜に藤井さんの映像を見て勇気づけられたと聞いている」と問われると「そういう運命というか、タイミングだったんじゃないかなと思います」と目を赤くしながらうなずいた。

この日はブロックを決め、2-0とリードした第3セットには浮き球をダイレクトスパイクで仕留めた。「最高でーす!」。大きな声で喜んだ。

次に見据えるのは来夏のパリの舞台。「またもう1つ上のレベルに上がって、メダルを目指してやっていきたい。毎試合、こんなにたくさんのファンが応援に来てくれてうれしかったので、もっと良いバレーを見せられるようにやっていきたい」。すがすがしい顔つきでメダル獲得を誓った。