宇都宮ブレックスの比江島慎(33)がチームの開幕戦勝利に貢献した。前半は調子が上がらず無得点。第3クオーター(Q)にやっとスイッチが入り、後半は9得点4アシストの活躍を見せ、粘る群馬を突き放した。

試合後のヒーローインタビューに呼ばれた比江島は「オレ?」と苦笑いしながらマイクを握った。インタビュアーに「要所要所でらしさをみせた」と振られ、「いい表現をしてくれました」と切り返して、会場の笑いを誘った。

W杯での活躍で、バスケに詳しくなかった人にまで、「比江島慎」の名前は浸透した。ホームで迎えた開幕戦の観衆は、栃木県内の開催試合としては史上最多5626人。比江島人気が大きく寄与したのは間違いない。

第3Q終了間際に3Pシュートを決めると、W杯ベネズエラ戦で見せた親指、人さし指、中指を立てて顔を左右に振るパフォーマンスを披露。NBAネッツのミケル・ブリッジズをまねたセレブレーションだ。

「みなさんの期待があるので、今日はちょい見せで」。来年のパリ五輪でも日本代表入りを目指している。開幕前には「Bリーグでも十分に成長していける。そのことを証明したい」と意気込んでいた。

そのためには、チームの2年ぶりV奪回と自らのスキルアップが大きな目標だ。「まずはスタートダッシュしていきたい」。明石家さんまに「伸び盛りのジャッキー・チェン」と名付けられた33歳が、さらに成長を誓ったシーズンの1歩目を刻んだ。