前回準優勝の福岡第一が、福岡大大濠との“福岡決戦”を制し、4大会ぶり頂点に立った。

福岡第一の森田空翔(くうと、3年)は本来、3点シュートを持ち味とするが「今大会はディフェンスを頑張った」。毎試合のように相手のエースをマーク。178センチの身体を張って奮闘した。

スポーツ推薦で入部したチームメートが多い中で、「僕はみんなと違い、一般入試で入った」。長崎県佐世保市・広田中出身。4年前の連覇達成に貢献した河村勇輝(22=現B1横浜BC)に憧れ、バスケの名門福岡第一に進んだ。入部してみると、同学年だけで40人を超える大所帯。「河村選手の影響で、僕らの代はとくに部員数が多かった。顔を見ただけでもみんなバスケがうまそう。『来るところを間違えた』と思った」と振り返る。

それでも「3年間、やり抜こう」と決意。猛練習を重ねた。2年時から徐々に起用され、1年前のウインターカップではベンチメンバー入り。最上級生になるとレギュラーの座をつかんだ。

決勝ではチームで2番目に多い14得点、さらには5スチールをマークした。「井手口先生に怒られるのもこれが最後という気持ちで集中した。先生に1番怒られてきたのは自分。いつも『くそっ』と気持ちでやってきた。頑張ってきて良かった」。金メダルを手にし、充実感に浸った。【奥岡幹浩】