世界ランキング2位で第2シードの小田凱人(17=東海理化)が、4大大会3度目の頂点となる大会初制覇を果たした。決勝で、同1位で第1シードのアルフィー・ヒューエット(イギリス)と対戦。昨年大会の決勝で苦杯をなめた相手を、6-2、6-4のストレートで退けた。

1回戦敗退となった昨夏全米オープン以来となる4大大会で、王者返り咲き。4大大会とパラを全制覇する「年間ゴールデンスラム」達成を視野に、連勝街道を築いていく。

ヒューエットには、この日まで通算4勝6敗と負け越していたが、「相手は気合が入っていると思うが、その気合で追い越す。1球目から声を出してやっていけば必ず勝てる」と自信があった。試合前のこの言葉通り、気迫を前面に押し出したプレーで世界1位を圧倒した。

第1セット(S)第5ゲーム(G)では0-40と追い込まれながらも、バックハンドとフォアを使い分けながら、ともに強烈なウイナー(決定打)をコーナーに突き刺してブレークに成功。そこから一気にギアを上げ、5連取でセットカウントを先取した。

破竹の勢いは、第2Sも衰えない。第1Gは5度のブレークポイントの末にゲームをものにすると、第6Gには今大会最速となる174キロのサーブを披露し、キープに成功。第7Gもブレークすると、第8Gにこの日初めてブレークを許したものの、反撃を抑えて押し切った。

昨季は2度ずつ4大大会の栄冠を分け合った相手に、付け入る隙を与えない内容で大会初制覇。これでライバルに4連勝とし、今大会の目標の1つに掲げていた世界1位奪還も確実となった。「土曜日(決勝)の自分はさらに進化して、また大きな姿を見せてくれると思う」と話していた。3度目の4大大会制覇を飾った17歳。成長曲線は、どこまでも伸びている。

 

◆小田凱人(おだ・ときと)2006年(平18)5月8日、愛知県一宮市生まれ。サッカー少年だった9歳の時に左足に骨肉腫を発症。国枝慎吾さんに憧れ、10歳で競技開始。22年4月にプロ転向。同5月の全仏に4大大会史上最年少出場。23年1月の全豪で準優勝。同6月の全仏を17歳33日で制し、男子同種目で最年少優勝、史上最年少で世界ランク1位。同7月のウィンブルドンで4大大会2大会連続制覇を達成。

 

◆放送 全米オープンテニスはWOWOWで連日独占生放送、WOWOWオンデマンドでは日本人選手の試合を全試合ライブ配信予定。