女子で初優勝を目指すフォルティウスが、第2エンドからの5連続スチールなどで得点を重ね、無失点で圧勝発進した。

選手として男子の世界選手権で5度優勝、北京五輪金メダルの実績があるニクラス・エディンコーチ(38=スウェーデン)を、外国人コーチとして招聘(しょうへい)。勝者の戦略・メンタリティを身にまとい、初戦を白星で飾った。

9-0の第5エンド途中には、余裕があってもタイムを使ってエディンに相談。3つの選択肢から最善の策を選んでもらい、きっちり1点のスチールにつなげた。ハーフタイムには、全員がマスカットやいちごなどのフルーツをほおばりながら、リザーブも兼ねる船山弓枝(45)とエディンの両コーチから指示を受けた。「いい試合ができている。次の試合につながるように、もっと完璧な位置に石を置こう」と叱咤(しった)され、第6エンドもスティールで2点を奪い、コンシード勝ちにつなげた。

本来のスキップ吉村紗也香(32)を産休で欠き、ポジション初体験の小谷優奈(25)をスキップに起用する布陣だが、本気度はこれまで以上だ。昨夏のクラウドファンディングで集まった強化費でカナダに約1カ月半の長期遠征を敢行。新型コロナウイルス感染で予選大会に出場できず、昨年はステージに立つことすらできなかった今大会に向け、1からチームを作り上げてきた。

昨年11月には、メンタルコーチに元日本ハムの白井一幸氏(62)も招聘(しょうへい)。世界選手権(3月16日から、カナダ・ノバスコシア)出場権を、出場枠を獲得したロコ・ソラーレから奪う構えだ。サードの小野寺佳歩(32)は「目指すべきところは優勝」と宣言した。

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