22年北京オリンピック(五輪)代表の樋口新葉(23=東京・ノエビア)が、29日にドーピング問題によって4年間の資格停止などの処分が下されると発表されたカミラ・ワリエワ(ロシア)について言及した。

63.32点で6位発進となった成年女子SP後に取材対応。団体戦で女子SPに出場した樋口は「早くメダルが欲しいという思いが一番大きいです。2年間待っていたので、早く決まったうれしいなと思います」と率直な思いを打ち明けた。

スポーツ仲裁裁判所(CAS)は2022年北京オリンピック(五輪)期間中にドーピング問題が発覚したカミラ・ワリエワ(ロシア)に対し、4年間の資格停止処分を認める裁定を下した。これにより、ロシア・オリンピック委員会(ROC)の一員として獲得した北京オリンピック(五輪)の団体金メダルは取り消しとなり、銅メダルだった日本が銀メダルへと繰り上がる見通しとなっている。団体に出場した日本代表選手の手元には、メダル自体届いていない。

まだメダルが自分の元にない樋口は「自分が五輪に行ったこともふわふわした感じで、まだ実感がない。(お世話になった方に)ご挨拶へ行かせていただく時、皆さんもメダルを見たい気持ちがあったと思う。私も同じ気持ち」と話した。五輪は「世界中の人が知っている大会」と語り、「平等にスポーツが出来たらいいなと思います」と願った。

この日のSPでは、ルッツ-トーループの連続3回転は降りたが、3回転フリップで転倒。「最後まで体がよく動いていたので、コンビネーションもすごく良かった。フリップはちょっとスピードが落ちてしまった」と振り返った。

ただ、約2季ぶりの復帰シーズンとなった今季は、昨年11月のGPシリーズNHK杯で大技トリプルアクセル(3回転半)に挑むところまで復調した。「最初は今シーズンはダブルアクセルでずっと行こうと思っていた」と苦笑いで打ち明けつつ、「余裕を持ってアクセルの練習ができるようになって、試合でも組み込めるようになった。アクセルまで戻せるようになったことが1番よかったです」と実感を込めた。

フリーは翌31日に行われる。