21年東京五輪(オリンピック)銀メダリストの本多灯(22=イトマン東京)が、日本勢バタフライ初の金メダルに輝いた。競泳第1号のメダル獲得となった。

準決勝全体2位で迎えた決勝は1分53秒88を記録。隣のレーンのラッツェッティ(イタリア)が積極的に仕掛ける中、100メートルで先頭に立つと、残り50メートルの競り合いを制した。2大会連続の銅メダルから念願の頂点に立ち「本当にうれしいです。それだけです」と喜びをかみしめた。

今大会に向けては、ドーハへ出発する当日の5日に階段を1段踏み外し、左足首を捻挫したという。この日のレース前も「そっちの方に意識がいっていた」と振り返りながら「名前を呼ばれて『自分のレースをするだけだ』と。僕のチャーミングポイント」と笑顔でスタート位置に向かった。

7月開幕のパリ五輪を控え、3月に国内の五輪代表選考会(東京)を迎える。

東京五輪金メダルのミラク(ハンガリー)、23年世界選手権金メダルのマルシャン(フランス)らが不在ながら、夏の大一番に向けて、確かな手応えを得た。