日本バドミントン協会の村井満会長(64)が19日、都内で会見し、経営健全化に向けた方針を示した。

22年に発覚した公金横領事件の後を受け、昨年6月にサッカーJリーグ前チェアマンの村井氏が新たに会長に就任。「組織全体にセンシティビティーの欠如があった」とし、理事会改革や事務局機能の強化を断行してきた。並行して経理系ガバナンスの改善にも着手。ただ、経常収支は2期連続で3億円前後の赤字となる見通しとなっており、債務超過に陥る可能性もあるという。

この事態を受け、「今まで通りにお金を使っていてはバドミントン界の将来はない」とし、コストの抜本的な削減と収益拡大の施策を打ち出す方針を発表。協会内の経費の見直しやリモートワークの推奨などにも乗り出しており、「1万円単位、数千円単位でキャッシュを眺めながら(改革を)進めている」と説明した。

その上で代表活動費についても言及。今夏のパリオリンピック(五輪)まではこれまで通りにバックアップする予定だが、パリ五輪以降は派遣大会数や合宿などを減らす考えを示した。一方で28年ロサンゼルス五輪へ向け、ジュニア世代の強化は継続する予定。「パリへ向けた短期的なものと、ロスへ向けた長期的なものと、遠近を分けながら考えたい」とした。

村井会長はこれまで、国内外の約30大会を視察。多角的な視点からバドミントン界を見つめてきたといい、「バドミントンを絶対につぶさない。24年度は厳しい決算になるが、成長のためにいったんはしゃがみたい」と話した。