日本(世界ランク2位)が8強を決め、パリ五輪(オリンピック)団体戦の出場権(3枠=シングルス2枠を含む)を獲得した。

五輪シングルス代表候補予定選手の早田ひな(23=日本生命)と平野美宇(23)、団体戦代表候補予定選手の張本美和(15=ともに木下グループ)の五輪メンバーで臨み、クロアチア(同41位)を3-0で下した。早田は「私たち5人は団体戦で優勝を目指してやっている。その通過点としてパリ五輪の切符があった。そこを獲得できたのはうれしいけれど、5人全員が目指しているのはここじゃない。さらに気を引き締めてここから頑張りたいです」と素直な思いを口にした。

主導権はエースがたぐり寄せた。

第1試合は23年世界選手権シングルス銅メダルの早田が登場。投げ上げサーブなどを有効に使い、長身のラコバッツを11-4、11-6、11-7と圧倒した。

約2年に及んだ国内の五輪シングルス代表選考レースではトップを独走。初出場となる五輪で金メダルに照準を定める23歳は「小さいころから世界卓球を見ていた中、いつの間にか最年長という立場。みんなからするとエースという立場になっていて、自分自身がチームに勢いづけるのは一番得意。1番で出させていただいた時には、一気に流れを引き寄せる役割もある」と語っていた通り、結果と内容で後輩にバトンをつないだ。

第2試合は最年少15歳の張本が、相手エースのアラポビッチに立ち向かった。第1ゲーム(G)を11-7で制すと、第2G以降も相手の意表をつくYGサーブ(逆横回転系のフォアサーブ)を試すなど冷静に試合を組み立てた。大会前は「初めてなので緊張はしている。勝ちたい、1点(1勝)取りたいという気持ちが大きい。いつも通り、自分らしくプレーできたらと思います」と初々しかったが、1次リーグの戦いを経て冷静さは増し、ストレート勝利でチームに貢献した。

第3試合は平野が締めた。五輪では初めてのシングルス代表。早田、張本が作った流れを渡すことなく、五輪切符をたぐり寄せた。「五輪の前哨戦でもある。自分がどういう準備をしたらいいか、今大会に本気で挑むことによって、見つかるものもあると思う。五輪のような気持ちで挑みたいと思います」。そう口にした通り、準々決勝以降も戦いは続く。

この日は出番がなかった伊藤美誠(スターツ)、木原美悠(木下グループ)とも力を合わせ、53年ぶりの金メダルへギアを上げる。