元夫の江宏傑氏(35)から「長男の引き渡し」を求められていた、卓球女子のオリンピック(五輪)2大会連続メダリスト福原愛さん(35)が15日、都内の日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見を開いた。

福原さんは冒頭「これからは江さんと協力して、子どもを育てていきたいと思っています。皆さまにはどうか、温かく見守っていただければ幸いです」と説明し、両者間で至った合意について「和解成立」を自ら報告した。

福原さんが退室後には、両者の代理人弁護士が経緯について説明した。

始めに説明した江氏側の大渕愛子弁護士は昨年7月21日に福原さんに対して、長男の引き渡しを命じる判決が出た事を踏まえ「その時に通常の審判に加えて、緊急性のある場合に下される保全の審判も下されました。不服申し立てがなされるか、なされないかにかかわらず、ただちに効力があり、強制執行が可能となるものです。江さんとしては任意の引き渡しを希望していましたが難しく、強制執行の申し立てを行いました。しかしながら、強制執行を実施する際に調査すると、福原さんと息子さんが既に中国に渡っていたことが判明し、強制執行を実施することができませんでした」と日本に不在だったことで、事態が進まなかったとした。

同時に福原さん側からは審判に対して、不服申し立て、抗告がなされていたが「東京高等裁判所で審理されましたが、そちらも昨年も12月21日に決定出まして、抗告申し立てを却下する判決がでました。抗告却下の決定に対しても、最高裁判所に特別抗告がなされました。一方、江さん側からは警視庁に刑事告訴を行い、受理されました」と裁判が続いていたことを明かした。

長期化の中で刑事事件の代理人側から大渕弁護士に和解の申し入れがあり、代理人間で協議を重ね「息子さんを福原さんが江さんに引き渡すという中心とする和解がなされました」と結論となった。和解内容の詳細は説明を避けたが、「決して、江さんが息子さんを福原さんに会わせないと言うことはなく、双方とも親として協力して育てていく内容になっています。共同親権は維持したまま、監護権は江さんに依然として帰属したままという内容になってます」と語った。

【2人の経過】

◆結婚 16年リオデジャネイロ五輪後の9月に結婚。江さんが台湾に用意した新居で「この家の主人になってほしい」と鍵を手渡してプロポーズ

◆誕生 17年10月に長女、19年4月に長男が誕生

◆週刊誌報道 21年3月3日、日本と台湾を行き来して卓球関連の仕事をこなしていた福原さんの不倫と離婚危機が報じられる

◆直筆で謝罪文 福原さんは同4日、不倫に関しては「一緒の部屋に宿泊した事実はありません」と否定。離婚については「夫婦間で子供にとって何が一番なのか話し合っている」

◆声明発表 江さんは同5日、「私の愛情は、出会った日から今まで、一切変わっていません」「結婚して5年、とてもかわいい男の子と女の子がいます」と家族愛を強調

◆離婚発表 21年7月、連名で離婚を発表。声明では「夫婦で協議した結果、双方合意の上で離婚が成立いたしました」とした。2人の子供の親権は共同で持つ意向を明らかに

◆裁判 22年11月、福原さんが自身の公式サイトで提訴が取り下げられたと報告。一部週刊誌で交際相手の前妻から提訴されたことなどが報じられていた

◆来日 23年7月、江さんが都内で会見。離婚翌年に福原さんが台湾から日本に連れていき、連絡が取れない長男について、江さん側に引き渡すように東京家裁の決定が出たことを説明

◆反論 23年8月、福原さん側は反論の声明文を報道機関に送付。福原さん側の書面では、法律上、上訴して争う手段が認められているとし、現段階で司法判断は確定していないと強調