日本オリンピック委員会(JOC)は21日、都内で理事会を開き、7月26日開幕のパリ五輪(オリンピック)で日本選手団の主将を廃止することを決めた。選手の負担軽減のため、見直しの議論を進めてきた。戦後初めて日本が参加した1952年ヘルシンキ大会で定着して以降、主将を置かない夏季五輪は初となる。

主将は開幕前の結団式での決意表明が主な役割。国際オリンピック委員会(IOC)は五輪の旗手については各国・地域に男女1人ずつの起用を求める一方、主将に関する規定は定めていない。日本は伝統的に主将を選出してきたが、近年は重圧の大きさや本番前の体調管理への影響が懸念され、人選が難航していた。

JOCの公式資料によると、五輪で最初に主将が選任されたのは夏季の28年アムステルダム大会で競泳男子の高石勝男が務めた。その後も52年大会で競泳男子の古橋広之進や84年ロサンゼルス大会で柔道男子の山下泰裕ら数々の名選手が主将に名を連ねた。2021年の東京大会では陸上男子の山縣亮太(セイコー)が務めた。