23年世界ジュニア選手権3位の中井亜美(16=TOKIOインカラミ)が、64・08点の1位と好発進を決めた。

今季からのSP曲は、宮本賢二氏振り付けの「シェルブールの雨傘」。荘厳かつ叙情的な音楽に合わせ、冒頭のダブルアクセル(2回転半)を余裕を持って決めると、その後のルッツ-トーループの連続3回転、3回転フリップと、全てのジャンプを危なげなく降りきった。

幸福なカップルが戦争によって引き裂かれるストーリー。「すごく難しい恋愛のお話。ハッピーエンドではないけど、見て良かったなと思ってもらえる演技がしたい」と意気込むように、時折、はかなげな表情を浮かべて非運の主人公を演じきった。拠点とするリンクでの躍動。「ホームリンクでの試合での少し緊張したけど、ジャンプをそろえられて良かった」とうなずいた。

今年の春から高校生になった。通信制で学び「課題に追われる日もあるし、(勉強は)得意ではないけど楽しみながら頑張りたい」と競技との両立を図る。「今シーズンは目標の試合がたくさんある。1つ1つクリアして、最終的にはまた世界ジュニアの表彰台に乗りたい」と意気込んだ。昨季は腰痛の影響で全日本ジュニア選手権10位にとどまり、前年に4位となった全日本選手権に駒を進めることができなかった。それでも、現在の腰の状態は「もうばっちり」とにっこり。「いい練習ができています」と、完全復活へ手応えを示した。

練習では「惜しいところまではいっている」と話す4回転ジャンプだが、今季はプログラムには入れず、大技トリプルアクセル(3回転半)の安定に取り組む構え。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレシーズンとなる今季。「ミラノの星」を目指す16歳が、充実の1年にする。【勝部晃多】