【重慶(中国)=勝部晃多】中国杯を2年連続で制した佐藤駿(21=エームサービス/明大)が、現役日本人最高構成の復活へ意欲を示した。歓喜から一夜明け、現地で取材対応。五輪初出場を目指す来年2月のミラノ・コルティナ大会がかかる年末の全日本選手権(東京)へ、大技4回転フリップの投入を示唆した。右足首の負傷の原因となったジャンプだが、恐怖を克服して再び挑む。

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大会の大トリを飾ったのは、佐藤だった。シリーズ初勝利を挙げた昨年大会に続き、重慶で頂点に輝いた。最終日のエキシビションは最終滑走で登場。大歓声を背に、中国でも人気の高いボーカロイド曲を原曲とした「千本桜」を舞った。歓喜から一夜明け、「率直にうれしい気持ちがよりこみ上げてきた」。右足首の故障を抱えながらも自己ベストに3・50点に迫る高得点を記録したノーミスの好演に、充実感がにじんだ。

次のステップへ、恐怖心を乗り越える。今大会のフリーは、アクセルを除く4回転で最も基礎点の高いルッツ1本と、トーループ2本の4回転2種3本の構成で挑んだ。ただ、今年3月に世界選手権初出場を果たした21歳には、もう1つの武器がある。ルッツの次に得点の高いフリップ。昨季はプログラムに組み込んでいたが、今年6月末に行われたアイスショーで同ジャンプを跳んだ際に負傷。9月の大会で3回転を1度跳んだきりで、「ちょっと怖さがあって全くできていない」と足踏みしていた。

過去に両4回転ジャンプを同時成功させたのは、日本で唯一自分だけ。復活すれば大きな武器になる。「やれたらいいなくらいに思っている。足と相談しながら」と慎重だが、優勝すれば五輪出場が確定する全日本選手権での投入を目指し、練習を再開する見通し。「まずは挑戦してみる。怖さをなくすことが、ルッツや他のジャンプにも生きてくると思う。(不安を)解消していければいい」と力を込めた。

次戦はシリーズ第4戦NHK杯(11月7~9日、大阪)。会場の東和薬品ラクタブドームは昨年の全日本で7位に沈んだ因縁の場所でもある。同大会は現在の構成で臨む予定だが、「あの空気感の中で跳んで去年のリベンジができたら」。自分に打ち勝つ戦いは続いていく。