国庫補助金による専任コーチらへの報酬の一部が寄付の形で所属のスポーツ団体に還流していた問題で、日本オリンピック委員会(JOC)の第三者特別調査委員会(飯田隆委員長)は26日、14団体で寄付の実態があり、そのうち10団体は自己負担を回避する目的があり不適切だったとする調査結果を発表した。

 問題の発端となった全日本テコンドー協会については適正な会計処理をしておらず「不正というべき可能性が極めて高い」と指摘し、今後の調査に真相解明を求めた。

 日本水連は件数が多く、日本セーリング連盟、日本近代五種・バイアスロン連合(当時)、日本ボブスレー・リュージュ連盟、日本カーリング協会の4団体は慣習化していたとした。カヌー、柔道、ホッケー、ボートにも問題があったという。

 サッカーくじを財源とする助成金でもテコンドー、セーリング、カーリングに問題があったと判断した。

 補助金は事業の3分の1、助成金は4分の1を団体が自己負担する必要がある。記者会見した飯田委員長は「背景に競技団体の脆弱(ぜいじゃく)な経済基盤がある。寄付の事実を認識しながら対策を放置し、黙認してきたJOCの責任は重い」と述べた。

 午後にはサッカーくじを運営する日本スポーツ振興センターも調査結果を発表する。文部科学省は競技団体の窓口であるJOCに補助金の返還を求める方針で、JOCは27日の理事会で関係者の処分を決める。