<フィギュアスケート:GPファイナル>◇初日◇12日◇韓国・高陽

 女子SPで、中野友加里(23=プリンスホテル)が真骨頂の安定した演技で62・08点をマークして3位につけた。課題だったジャンプに大きなミスはなく、最後は得意のドーナツスピンをきれいに演じきった。「シーズンを通して一番いいSPだった」。手応えを感じると、笑顔が広がった。

 11月のNHK杯のSPでは、冒頭の2つのジャンプでミスし、5位と出遅れた。GPファイナル進出に赤信号がともった。しかし、フリーで会心の演技を見せ、総合3位に食い込み、逆転で出場権を得た。「NHK杯からいい練習ができていた」。その好調さを、そのままこの日も維持した。

 首位の金妍児とは3・86点差だ。フリーで武器の3回転半ジャンプが決まり、芸術的なスピンが乱れなければ、十分に初優勝も圏内だ。安藤と一緒だったフリーの曲「ジゼル」だが、安藤が今大会から別の曲に変更。中野だけの「ジゼル」となりアピール度も高い。「気持ちを切り替えて挑みたい」。夢の世界女王が見えてきた。