【バンター(フィンランド)12日=高田文太】フィギュアスケート男子の高橋大輔(23=関大大学院)が、右ひざに大けがを負った昨年10月から現在までの環境や心境の変化を語った。約1年半ぶりの実戦を優勝で飾ったフィンランディア杯からこの日、帰国。帰国前に、大会が行われたバンターで、9月から自作の弁当持参で練習していたことや、来年2月のバンクーバー五輪への思いなどを明かした。

 1年半ぶりの復帰戦を優勝で飾り、日本に帰る直前の高橋は終始明るかった。さまざまな重圧から解放され、今大会にかけていた舞台裏を明かし始めた。

 高橋

 9月に栄養士さんに付いてもらってから、練習の時の昼ご飯は弁当を作って持って行ってます。けっこう嫌いじゃないですね(笑い)。弁当箱に詰めるのも面白いし。緑黄色野菜が大好きなので、色合いはきれいかもしれないです。時間がない時はコンビニになっちゃいますけど(自分で作った)弁当の方が疲れが取れる。全然違います。

 携帯電話のカメラで食事を撮影して栄養士にメールを送り、アドバイスを受けるという生活を繰り返している。以前は外食で済ませることも多かったというが今では「魚と肉とか、2種類のタンパク質を取ることを心がけている」という。

 昨季を棒に振る競技人生最大のけがは、体だけではなく心も成長させていた。

 高橋

 五輪でメダルを取るには、日本でエースでないと取れないと思う。エースと呼ばれることに、誇らしさやうれしさはないですね。夢が五輪金メダルなので、それが当たり前じゃないとダメだと思います。

 復活優勝を果たした後、「GPファイナル優勝」「五輪金メダル」という日本男子初となる目標を次々と掲げた。

 高橋

 昔は強がりで言っていた部分がありました。でも今は自然と。それがずっと夢でしたし、自分の中ではっきりと思えるので。

 一回り大きくなって、戦いの場に戻ってきた。