全日本柔道連盟(全柔連)は18日、東京・文京区の講道館で理事会を開催。女子日本代表監督には、現女子ジュニアの南條充寿ヘッドコーチ(HC、40)の就任が決まった。

 暴力指導で監督が辞任した女子代表が刷新された。新監督に、仙台大総監督で女子ジュニアのHCを務める南條氏の就任が決まった。任期は14年ロシア世界選手権までの“2年間”。斉藤強化委員長は「非常に優秀で、みんなが納得してくれる監督」と説明した。

 当初、2月の欧州遠征で監督代行を務めた田辺勝コーチの昇格が確実だった。だが、園田前監督らと「一緒にいた」ことで、実業団や大学の指導者らが反対し、土壇場で覆った。強化委員長は「前のチームにいたことで、周りの選手たちへの影響を考えた」。処分が撤回された田辺、貝山、薪谷の3コーチが留任する可能性もあるが、新監督は“チーム外”から登用した。

 南條氏は08年北京五輪に総務コーチとして同行した。“柔道界の良心”と言われる人格者で、斉藤強化委員長は「今回の欧州遠征にも行き、選手を把握している。将来的な女性監督を視野に入れて、女子指導者も育成してほしい」と期待した。

 新設の女子強化部長には強化副委員長兼任で、バルセロナ五輪銅メダルで筑波大女子コーチの増地千代里氏の起用も決まった。女子柔道は体制の刷新で、大きく出遅れた強化を図る。