再び五輪でメダルを獲得するために、シンクロナイズドスイミング日本代表が猛練習で生まれ変わった。アジア大会(9月・仁川)とW杯(10月・カナダ)を目指す代表チームの都内での強化合宿が19日、報道陣に公開された。井村雅代コーチ(63)の指導のもと、4月から取り組んだ肉体改造と意識改革で、演技のレベルは上がった。

 「ほら、ぜんぜんあかんわ!」。井村コーチの言葉に、選手たちの表情が真剣になる。動きが合わないと、できるまで何度でもやり直し。「言葉の通じない国で教えて、温厚になったし、丁寧に教えるようになった」。中国などを指導し、10年ぶりに日本に復帰した同コーチは笑った。

 世界で勝つために、まず肉体改造から始めた。4月から1カ月半は「無駄な脂肪を落とした」。徹底した筋力トレでエース乾の体脂肪は21%から16%まで減った。さらに、意識改革。歩き方まで教えた。「歩くときの目線の角度まで言われた」と三井。朝8時前から午後10時過ぎまでの3部練習で、乾は「練習量は以前の倍以上」と話したが、井村コーチは「全然時間が足りない」と言う。

 井村コーチの猛練習に選手が耐えられるのは「勝ちたい」という思いがあるから。三井は「つらい時は、メダルを意識する」。吉田も「以前は出場が目標の五輪だったけれど、今はメダルが視野にある」と話す。アジア大会では中国の壁が高いが「正確でクリアな演技をしてほしい」と井村コーチは話していた。【荻島弘一】