日本スケート連盟は8日、都内で理事会を開き、06年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さん(32)を副会長に選んだ。再任された参院議員の橋本聖子会長(50)が抜てきした。荒川さんは2年前から理事を務めていたが、選手の立場に立った主張や、冷静な判断力が評価された。

 32歳の若き副会長が誕生する。年末には出産予定。大役を引き受けることに悩んだが、金メダリストは「スケート普及活動を継続したいという気持ちから、少しでもお力になれることがあれば」と決断。母、プロスケーター、日本連盟副会長と、今後は一人三役でスポーツ界に貢献していく。

 32歳の女性金メダリストの登用。決して話題性を優先したわけではない。橋本会長は、その能力と資質を評価する。2年前に理事に就任。年配の理事が多い中でも、はっきりと選手サイドの意見を主張し続けてきた。橋本会長は「周囲に流されない。冷静な判断力と説明する力もある」と抜てき理由を説明した。

 若き副会長は、日本連盟だけでなく、将来的には国際スケート連盟(ISU)国際オリンピック委員会(IOC)での活躍も期待される。橋本会長は「スケート界、スポーツ界で大きな存在になってほしい」と期待を込めた。

 ◆荒川静香(あらかわ・しずか)1981年(昭56)12月29日、神奈川県鎌倉市生まれ。98年長野五輪13位。04年世界選手権で日本人3人目の優勝。06年トリノ五輪では、スルツカヤらを抑えて日本フィギュア界初の金メダル。12年10月から日本スケート連盟理事。