【25日=メルボルン=吉松忠弘】今日26日にセンターコートで行われる全豪オープン4回戦フェレール戦を翌日に控え、世界5位の錦織圭(25=日清食品)を指導するマイケル・チャン氏(42)が、対フェレール“3つの鉄則”を日刊スポーツに語った。この日は、18歳のオーストラリアの選手を相手に、実戦形式の練習に加え、基礎練習でストロークを見直した。4回戦は、午後2時以降(日本時間正午以降)に行われる。

 対戦成績6勝3敗。14年だけで4度も戦い全勝と、錦織のテニス人生に、フェレールは立ちはだかってきた。お互いにラリー戦を得意とし、錦織にとって、自分の調子をつかむバロメーターだ。「得意ではないが、自分のテニスが良くなりやすい相手」と認める。

 そのフェレールに対し、錦織が勝つための最も重要な条件を、チャン氏が明かした。<1>集中して試合に入る、<2>絶対にあきらめない、<3>攻撃的に行け、の3つの鉄則だ。細かい技術的なことに比べ、単純な3箇条。しかし、フェレール戦では、それぞれ奥が深い鉄則だ。

 <1>についてチャン氏は「スタートからの気持ちが大事。他のことに左右されることなく、プレーに集中すること」と話した。これは、2、3回戦で第1セットを落としたことを指す。フェレール相手に、先手を奪われては、2、3回戦のように立て直すことは厳しい。

 <2>は、馬車馬のように球を拾うフェレール対策ならではだ。「いつも長いラリーが続く。しかし、自分から決してあきらめてはいけない」。13年4回戦では、錦織が完全に根負けした。精神的な弱さを見せれば、フェレールは、必ずそこにつけ込む。

 <3>も、3回戦の内容を分析しての発言だ。錦織は「少し守りに入った」と話した。それに対し「チャンスを見つけたら、攻撃的に行くべき。ラリーだけでは相手のペースになる」。昨年11月のツアー最終戦では、第2セットから錦織が攻撃に転じ圧倒した。

 過去9戦して、フルセットにもつれたのが6度と、激戦を繰り広げている両者。区切りのいい10度目の対戦の舞台は、錦織にとって全豪3度目のセンターコートだ。第2週に突入し、いよいよ錦織が覚醒する時が来た。

 ◆WOWOW放送予定

 26日午前8時55分~、午後4時50分~、WOWOWライブ。第8日男女シングルス4回戦ほか。生中継。放送時間変更の場合あり。