全国大学選手権で10連覇を狙う帝京大が筑波大を66-10で下し、6勝1敗で8年連続9度目の優勝を果たした。8連覇は70~76年と01~07年の早大の7連覇を抜く対抗戦最多記録。大型FWを軸とした攻守で、CTB尾崎泰雅(2年)も3トライを奪うなど「絶対王者」の意地を示した。5勝1敗同士が対戦する今日2日の早大-明大の勝者も同時優勝となる。

史上初の8連覇が決まっても、帝京大の選手は淡々としていた。仲間同士で抱き合うこともなく、これまでの試合と同じようだった。「通過点」。全選手が、この言葉を胸に筑波大戦に臨んだ。岩出雅之監督は「対抗戦最終戦だが、『(全国大学)選手権1回戦』と位置づけていた。8という数字は別で、先輩たち含めて積み上げてきたもの。(2週間前に)負けを経験して、選手たちが本気で気持ちの入ったゲームをしてくれた」とたたえた。

一気に勝負を決めた。前半3分、CTB尾崎が相手パスをインターセプトして90メートルの独走トライ。このプレーを皮切りに大型FWが攻守の起点となって、尾崎が3トライを奪うなど大暴れ。前半を28-0で折り返した。後半は高度な技術と決定力で圧倒。相手裏を狙ったキックパスからFB竹山晃暉(4年)がトライし、キック成功率も100%(全8本)で全21点を稼ぐなど勝利に貢献した。

先月18日、対抗戦で明大に15-23で敗れ、3年ぶりの黒星を喫した。4月の春季大会、8月の練習試合でも敗れたライバル。「勝負への甘さ」を痛感して、この2週間でチームで敗因を分析。対抗戦最終日のこの日を「区切り」と考えずに、10連覇を狙う全国大学選手権の「通過点」と捉えることに決めた。

入学時から「4年時の10連覇」を目標に掲げていた竹山は「まだ、ファーストステージを終えただけ。1段1段、しっかりと階段を上りたい」と気を引き締めた。岩出監督も「次は10の数字を見るのではなく、積み上げながら成長することが、おのずと結果につながる」と、絶対王者の“再スタート”であることを強調した。【峯岸佑樹】

◆対抗戦の順位 関東協会は11年に「勝敗数が並んだ場合は同順位となる」ことを決めた。2日の早明戦の勝者が、6勝1敗で帝京大と同時優勝となる。全国大学選手権への順位付けは、勝敗の次に「当該校同士の成績」で決定する。早大と帝京大なら帝京大、明大と帝京大なら明大が直接対決で勝っているため、「対抗戦1位」で大学選手権に進む。