福岡6大学、九州6大学春季リーグ戦が18日、福岡ヤフードーム(福岡市中央区)で同時開幕する。福6では九産大が2季ぶりの優勝を目指す。エース西村憲(4年=福岡工大城東)とともに活躍が期待されているのが榎下陽大(2年=鹿児島工)。昨秋立った神宮のマウンドを目指して活躍を誓う。ルーキーだった昨年に比べると責任がグンと重くなった。「昨年の主戦が抜けたので、西村(憲)さんと自分で頑張ってほしいと監督にも言われました」と榎下は投手陣の中心的存在として期待されている。

 入学直後の春のリーグ戦からベンチ入りし、秋はチーム最多の3勝を挙げた。秋の明治神宮大会では準々決勝の早大戦で2番手で登板。2回1/3を無安打と早大打線を完ぺきに抑えた。だが榎下にとっては「逆転されてからの登板だったので流れを引き戻せる投球をしたかったんです。でも負けたので、悔しさしかありません」と神宮デビューに満足感はない。

 この冬は週に1000球、多いときは1日200球を投げ込んだ。西武涌井のフォームを参考にして、フォームをマイナーチェンジ。「直球に威力が出てきて昨年と全然違うと思う。この春はやってくれると思いますよ」と大久保哲也監督(45)は榎下の右腕に期待を寄せる。

 目標はもう1度、神宮のマウンドに立つこと。06年夏、甲子園準決勝で敗れた斎藤佑樹(早大)へのリベンジもまだ果たしていない。「これからの経験になるような強い相手と対戦してみたいです」。2季ぶりのリーグ優勝を果たし神宮切符をつかむ。【前田泰子】