<東都大学野球:東洋大3-2亜大>◇27日◇最終週最終日◇神宮

 東洋大が亜大に連勝し、5季連続14度目の優勝を決めた。2-2の7回、雑賀健内野手(4年=PL学園)が決勝ソロを放った。5連覇は1939年春から6連覇した専大以来で、戦後初。

 優勝会見の席についた東洋大・高橋昭雄監督(60)の声が弾んだ。すぐ隣の雑賀を冷やかす。「なんで来たの?

 やったね。1発屋だね」。ヒーロー雑賀は大照れだ。「優勝決定の試合に出していただいて、うれしいです」。2-2で迎えた7回、決勝の本塁打をかっ飛ばしていた。

 これがリーグ初安打だった。「変化球に意識が行っていたんですが、監督にまっすぐを狙えといわれて。貢献できてよかった」。4年生ながら、先発出場はやっと2試合目。開幕から先発オーダーを守ったのは2人しかいない。チーム内の激しい競争が、強さの原動力になっていた。

 主将小島は開幕戦(青学大)の第1打席で右ヒジに死球を受けながら1番を守り抜いた。送球ができず遊撃手から一塁へ。以後も二塁、DHと移りながら出続けた。この日は二塁手で出場、全試合全打席を全うし2打数1安打で首位打者を獲得した。「監督にやれるといいましたが、本当は肩を痛めてしまって」。ヒジをかばった送球が、右肩の腱板(けんばん)に炎症を起こしていた。

 それでも弱音は吐かず、他選手には「オレらの代で(連覇を)止められない。絶対に継続しよう。ほかにない(4連覇の)経験があるんだ」とゲキを飛ばし続けた。先代主将の大野奨太捕手(現日本ハム)から激励の電話をもらい、それも励みにした。

 閉会式に臨んだ高橋監督は、他校監督から冗談口調で「いいかげんにしてよ」と責められる?

 までの強さ。6月9日からは全日本大学選手権が控える。小島は「先輩が勝っているんでこれも絶対負けられない。締めて、やります」。5連覇に満足せず、次は日本一連覇に挑む。【米谷輝昭】