早大・斎藤佑樹投手(3年=早実)が、12球団25人のスカウトに5回1安打投球を披露した。16日、東京・東伏見の早大グラウンドで、立命大との国内初オープン戦に先発。最速145キロの直球を軸に、打者15人で0封した。改修した人工芝球場の初戦を大石達也投手(3年=福岡大大濠)との「ドラ1コンビ」完封リレーで7-0と勝利した。

 午後1時開始の試合に、一番乗りのファンは午前7時に乗り込んだ。スカウト25人を含む約300人でごった返すネット裏の期待に応えるように、斎藤が1回から飛ばす。「直球主体」のテーマの中、新球カットボールを織り交ぜる。14球中10球以上が直球で、3者凡退に打ち取った。

 唯一の安打となった2回の先頭打者は、得意のけん制で刺した。米国キャンプでは3試合に登板。「向こうで学んだことが大きい。全部刺しにいくんですよ」と狙ってアウトを奪った。68球を投げて無四球、1安打3三振でまとめた。

 米国では午前9時練習開始で、試合は午後6時からなど野球漬けの日々を送った。12日の帰国後、1日も休まず迎えた実戦。午前5時に起床する時差ボケも吹き飛ばす好投だった。広島苑田スカウト部長は「2年の秋からスピードは落ちてきたが、復活した」と評した。3勝2敗と苦しんだ昨秋から、スムーズな体重移動を意識して、フォームのバランスを修正した。

 新球カットボールは15球ほど投げ、実戦で使える手応えは得た。4月10日の開幕戦(対立大)での4季連続の開幕投手は確実。「まだまだ。あと3週間で、もっと上を目指したい」と、頼もしく締めた。【前田祐輔】