ヤクルト原樹理投手(23)が、目の色を変えた。沖縄・浦添キャンプ2日目。午前中に行ったシャトルラン形式での持久力測定で、全体トップをマークした。走行距離は2400メートル。高卒2年目の広岡に競り勝った。「最後は気合です。オフは今までの3、4倍走り込んできた。(成果を)感じられる」と、うなずいた。

 練習法から見直した。走り込みとともに、重点を置いて取り組むのがシャドーピッチングだ。全体練習後に1人でブルペンへ向かい、投球フォームを確認しながらタオルを振る。テーマは「急がず、ゆっくりと」。1年目の昨季は投げ急いで体が早く開き、打ち込まれた。成績は2勝8敗、防御率5・91。右肩を痛め、後半戦を棒に振った。

 「野球は下半身がすべて」。オフの自主トレの成果は、キャンプ序盤のブルペン投球で披露した。ゆったりとしたフォームから投げ込む直球に、首脳陣は熱視線を送った。真中監督は「出てきてもらわないと困る選手だからね。取り組む姿勢は評価できる」と目を細めた。

 東洋大時代は投げ込みで調整したが、今ではシャドーピッチングが日課だ。「タオルは友達。そのうち会話できるようになるかも」と笑った。チーム初実戦となった13日のハンファ戦では先発を任され、2回3安打無失点。15年のドラフト1位右腕は、地道な努力を続けていく。【ヤクルト担当 鹿野雄太】